無題

これは夢だ。夢に違いない。そうさ、この世に羽根と尻尾が生えている女がいるはずない。
『信じてもらえたかな?黒月清水君』
「信じられるかああああああああ、テメェひとの命をなんだと思ってやがる!!!」
俺の前には悪魔がいる。彼女が言うには淫魔らしいが。寝転がってせんべいをかじっている姿は人間のようだ。
こいつが俺の精力を吸いとりすぎて、俺の寿命が60年ほど縮まってしまったらしい。
『あなたがおいしいのが悪いのよ。多分魂の造りが違うんじゃないかしら』
「人間と違うってどういうことだ?」
せんべいをバリバリかじっていた彼女が起き上がった。こうして見るとなかなかの美人かもしれない。
『魂が魔物に近いってこと。昔はあなたのような人は、魔術や超能力とかに目覚めたりしてたの。今ではオカルトの影響力が弱まってるからほぼ皆無だけど。』
「ちょっと待て、俺も魔法とか使えるようになるのか?」
人なら一度は魔法や超能力に憧れるものだ。俺も例外ではない。
『もう使えるよ』
「へ?」
『覚醒の鍵は魔を知覚すること。古代の神官達は、数十年かけて魔を感じるようになってたんだけど、あなたは私が見えるでしょ。意識すれば力の存在を感じれるはずよ』
三枚目せんべいを食べ終えた彼女が、四枚目に手をかけながら言った。
「意識ねえ・・・」
『試しにこれに力をぶつけなさい。目からでも手からでもいいから撃つイメージよ』
彼女が手にとったせんべいを、俺の目の前の床に置いた。
力は手から放つのが王道だろうと思った俺は、右手に意識を集中する。そして自分がここだ、と思ったタイミングで、せんべいに向けて力を撃ち出した。黒い光が手から現れせんべいに直撃する。
せんべいに光が当たった瞬間、俺は自分の力を理解した。それは対象を支配する能力。俺は今、せんべいと繋がっている。
俺が念じると、床に横たわっていたせんべいが起き上がり、くるくると回り出した。
『これは・・・念動力?』


彼女はまだ俺の力を理解していない。俺は隙を見て、せんべいを見つめている彼女にも光を放った。光が彼女の頭に直撃する。しかし彼女との繋がりを感じることが出来ない。
『物質支配かな?珍しいわね。でも一等悪魔の私には効かないよ』
彼女は何事もなかったかの様に、床に置いたせんべいを拾い上げ、またかじり始めた。
『これなら残りの人生にも困らないでしょ。変な力じゃなくてラッキーね。それじゃあたし帰るから。』
話している彼女の姿が徐々に薄くなっていく。
「ちょっとまて!!本当助かる方法は無いのか!!」
『残念だけど。あたしも魔王に話し───あと天───気をつ───』
彼女の姿と同じように、声も遠くなっていく。
最後には跡形もなく消えて、残ったのは食べかけのせんべいだけだった。
こうして俺は寿命と引き換えに力を得た。はたしてこれは寿命と同等の力なのだろうか。
「この力は────」
「うるさあああああい」
扉をぶち破る様にして、新たな来訪者が現れた。声の大きさから察するに相当おかんむりのようだ。
「うるさいよ馬鹿清水!!!」
部屋にやってきたのは俺の姉の黒月舞風だ。性格はとにかくお転婆で、良くも悪くも真っ直ぐな人間だ。
俺の一つ上で高三。よく友人に美人な姉だといじられる。
「次に騒いだら庭に埋めるからね!!」
怒鳴っている姉を見て、俺の体が反応した。体の奥の奥で何かが渇くような感覚。魔に目覚めた俺には、魔力の不足によるものだと理解できた。そして補給法がSEXであることも。
「うっさいよ馬鹿舞」
言うと同時に光を姉の両足に放った。もう姉に足の支配権はない。
「なに!!この、キャッ────」
姉が俺に向かってこようとしてバランスを崩し、床に倒れた。
必死に起き上がろうとしているが、全く足が動いていない。
「どうしたのさ?それじゃ俺を庭に埋めるなんて無理だよ」
俺は腕だけでジタバタしている姉を見下ろしながら言った。生まれてこのかた、気の強い姉を見下ろす機会なんて滅多になかった。
「じゃ次は腕を貰うね」
「あんな何を言っ───」
俺は姉の両腕にも光を放った。これで両手足の支配権が俺に移ったことになる。
腕の動きが止まったことで、部屋の中の音は、俺の声と怯えるような姉の声だけになった。
「うそ、体が、こんなこと、あるはずが・・・」
「信じられない?それなら起き上がらせてあげようか?」

俺が念じると、頭だけしか動いていなかった姉の体が、ゆっくりと立ち上がって気を付けの姿勢になる。
「あたしに何をしたのよ!!はやく戻しなさい!!」
「うるさいな、やっぱり全部貰うね」
姉が一瞬ビクッと震える。
「いやっ、やめひっ───」
姉の言葉は、全身に俺の光を受けて中断された。これで姉の体は完全に俺のものだ。
「もうその体は舞風のじゃないんだ。俺の許可なしではなにもできないんだよ」
俺は立ったままボーッとした顔の姉に語りかけた。意識までは支配していないから、聞こえているはずだ。
「舞風には俺の奴隷になってもらうから。手始めにオナニーでもしてもらおうかな」
そう言って、俺は頭の支配権を、一時的に姉に渡した。ボーッとした顔が泣き崩れたものに変わる。
「もういやぁ許して、お願い」
口は俺にやめるように懇願しているが、体はスルスルと服を脱いでいく。
「舞風は普段どんな感じでオナニーするの?嘘は駄目だからね」
俺は彼女の願いを無視して命令した。嘘をつくなと言えば、今の姉は絶対に嘘はつけない。
「お風呂でよくやってます、いや、やめ、乳首とクリをいっぱい弄って、いやぁ」
抵抗はしているが、俺の力の前では無意味だ。質問に答える時だけ、声が機械の様な感情のない声に変わる。
姉の体が服を脱ぎ終えた。久しぶりに見る姉の体は、大人の女性と言ってもいいほど美しかった。
生まれたままの姿になった姉の体が、俺のベットに移った。
「今の舞風なら、体のどこを触ってもとっても気持ちいいよ。とっても興奮してきただろ?」
俺の新たな命令に姉の体が反応する。体が火照って赤く染まり息が荒くなる。
「んっ、あんたの思い通りに、はぁ・・・、なって、たまるもんですか・・・」
「どうかな」
俺は未だに抵抗を続けいる姉の乳首を捻った。
「んああああぁぁぁっっ、ひぃやめれぇぇあああ」
抵抗など無意味の圧倒的な快感が姉の頭に流れ込む。
乳首を捻っただけで、姉の中から洪水の様に愛液が流れ出てくる。


「胸だけでこんなに濡らすなんて。下を弄ったらどうなるかな?」
俺はそう言って、姉の乳首を弄りながら、姉の陰唇に人差し指をゆっくりと差し込んだ。少々キツイが、大量の愛液のおかげで非常に滑りがいい。
「んひっ、もっ、いやぁああ、来るぅ、くあぁああああ」
姉が俺の指を強く締め付ける。俺に支配されて高まった体は、簡単に絶頂に達してしまう。しかし俺はそう簡単にイカせるような優しい男ではない。
「いけなひいいいぃぁぁっ、いぁ、なんぁっ、んあああああぁぁあ」
姉は俺の許可なしではイクこともできない。
「どうする?舞風が俺の奴隷になるならイカしてあげるよ?そうすれば心も俺のものだけど」
姉に差し込んだ指を、激しくかき回すように動かす。絶頂を迎えない快感地獄のなかで、姉の体が玩具のように指の動きに反応する。
「そんなっ、いやぁ、奴隷なんていやぁ」
俺が少しだけ差し込んだ指を動かす。
「んにゃぁぁぁあああ」
途端に姉が媚声を上げる。
「イクううぅぅっ、ふっあああぁぁあっ、イカしてぇ、お願いいいいぃぁぃぃ」
人外の力に支配された姉は簡単に屈した。
涙と涎にまみれた顔はなんとも淫靡だ。
これ以上焦らすと姉の精神が危ないと感じ取った俺は、最後の仕上げをすることにした。
「いまから俺のを舞風の膣に入れるからね。入ったら舞風はとっても気持ちよくイケるけど、心も俺のものになるよ」
「はぁっ、はやくっ、イカせてええぇぇぇ、ひああぁぁあぁあああ」
もうイクことしか頭にないようで、俺の言葉を理解できてない。
俺は自分のものを取り出し、姉のアソコへあてがって、一気に差し込んだ。
「あぁぁぁぁぁあ゙お゙お゙お゙お゙っ、んひぁっ、ひぐっ、イグぅぅぅぅぅぅ」
待ちに待った絶頂に獣のような叫びをあげる。
同時に俺の体に溢れんばかりの魔力が流れ込む。
「んぎぁ、ふぅあん、んぶぉぁああっ、っああぁぁあ・・・・」
背骨が折れるほど仰け反って、姉の絶頂は終わった。
「それじゃ俺も動くからね」
俺は涙と涎にまみれて、絶頂の余韻を味わっていた姉を抱き締めて、腰を動かした。
「んにゃぁぁぁああああっ、またっ、イ゙っ、きゅぅぅぅぅぁぁああ」
圧倒的な快感の暴力に、姉は白目をむいて痙攣する。口がだらしなく開いき、舌をつきだしている。
俺は弛緩しきった姉と長いキスをした。
「舞風は俺のこと好き?」


「んひあぁっ、しゅきぃ、らいしゅきでふぅぅぁぁああ・・・」
呂律の回らない舌で姉が答えた。
あの生意気な姉がこんなになるとは。俺は姉の表情に興奮して、腰を一際強く動かす。姉の暖かさと共に魔力が心地よく流れ込む。
「舞風の膣にだすからね。舞風は出されたらまたイクんだよ」
「はひっ、イキまひゅ、はやく出してぇぇぇええぇっ」
心まで快感の虜となった姉は、妊娠することなど考えていない。もっとも、俺の力があれば避妊なんて必要ないが。
限界を迎えた俺は、腰を強く打ち付けて、姉の奥深くに流し込むように射精した。
「まだイグっ、イっ、あああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ、あっ、ふぅっ・・・」
膣に射精したことで、姉が二度目の絶頂を迎えた。
体力的にも精神的にも限界を迎えた姉は、快感に耐えきれず失神した。
俺が意識を失った姉からナニを引き抜くと引き換えに、膣から精液が愛液と混ざって溢れ出てきた。
姉の体はまだ微かにビクビク痙攣していた─────




しばらく経つと、姉が意識を取り戻して起き上がった。
「あたし、は・・・」
まだ頭が働かないのか、目が少し虚ろだ。
「おっ?起きたのか」
次の瞬間俺と姉の目が合った。しかし姉の目は最初の様な反抗的なものではない。俺を弟としてでなく、男として見る目だ。
「しみ、ず・・・・あたし」
恋人を見るような熱のこもった視線で見つめてくる姉に、俺は抱き締めながらこう言った。
「大好きだよ舞風」
途端に顔を真っ赤に染め上げて少し俯く。
今の俺は姉にとって、一番大切で大好きな人間となっている。恋人であり主人であり神でもある。
少し時間が経つと、姉が腕を伸ばして抱き返してきた。
「あたしも・・・好きです・・・」
姉は身も心も完全に俺のものになった。今の姉は、俺が脱げと言えばどんな場所でも心から喜んで服を脱ぐだろう。
寿命という大きな対価を払い、強力な力を得た俺は、姉の温もりに包まれながらこれからの短いであろう人生に思いをはせた。

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