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沖縄、韓国、台湾の研究者が、各国の領土問題のとらえ方について、実践成果を発表する学習企画「今、領土問題をどう学ぶか」が26日、沖縄キリスト教学院大学で開かれた。琉大教育学部の山口剛史准教授、建国大学校(韓国)の朴三憲(パクサムホン)副教授、南台科技大(台湾)の楊素霞(ヤンスーシャ)副教授が、各国の「竹島」「尖閣」の記述を例に、平和的共存のために領土問題をどう認識するかを考えた。
同プロジェクトは3国それぞれの大学で、領土問題について考える同じ内容の授業を実施。論議の内容や意見をもとに、3国共通の教材を作ることを目的としている。
朴副教授は東アジアの「紛争地域」は、かつて日本の帝国主義のもと行われた戦争があった場所だと指摘。「領土と国民は歴史性を持っており、国家と国民は変化していく」として、もともとの領土という意味での「固有領土」は不適切な表現であると説明した。
領土紛争は国と国、国民と国民の利益がぶつかる場所だとして「その利害関係をどう見るかによって、領土の見方も変わる」と話した。
中国の黄砂や沖縄の米軍普天間飛行場の問題が、それぞれ中国や沖縄だけの問題にとどまらないことを例に挙げながら、「(領土問題を)アジア地域で生活している人の問題ととらえ、対立ではなく、過去の歴史を共有しながら、市民レベルで共存することが大切ではないか」と強調した。
楊副教授は、日本の教科書が尖閣諸島について「日本国有の領土」「中国がその領有を主張している」などと記述していることに対して「これまで見てきた(台湾の)教科書は紛争や領有権について書かれていない。台湾では教科書から紛争の実態を認識することができず、情報は政府やメディアから得るしかない」と状況を説明した。
領土問題について、台湾の成功大学の学生に行ったアンケートの「東アジアの海洋領土紛争解決に最も適した方法は何か」の問いで、「互いに一歩譲って」「政府ではなく、当地の人たちに意見や声を出させるべきだ」などの冷静な回答が多かったことを受けて、楊副教授は「政治やメディアに振り回されず、生活圏という視点で情報を提供するのはどうか」と提起した。
山口准教授は「韓国や台湾の学生が領土紛争をどのように教えられてきたかを考えながら、当事者が生活圏についてどう思っているかを見直した」と同プロジェクトの意義を説明。
「紛争をどのように解決するのか。中学生のころから学ばなければ、平和的共存につながらない。授業の中で踏み込んで学生に考えさせることで、さまざまな学びに広げることができるのではないか」と、領土問題を学ぶ意義を話した。