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「母心」が上位4組に 漫才新人大賞の決勝戦

 若手漫才コンビの登竜門「漫才新人大賞」の決勝戦は27日、東京都の国立演芸場で開かれた。本県を拠点に活動する「母心」が昨年に続き出場し、上位4組に残る健闘を見せたが、受賞は逃した。大舞台に挑んだ「オカン」の嶋川武秀さん(34)と関あつしさん(33)のメンバー2人は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興を目指す県民に笑顔を届けようと、軽快な漫才を披露した。

■「県民を笑顔に」 2年連続挑戦 受賞は逃す
 「どうもー、母心でーす!」。嶋川さんと関さんが元気に舞台に登場する。すかさず女装した「オカン」の嶋川さんが、かつらを取っておどける。「こう見えて…、男です」。ネタの冒頭で会場は一気に沸いた。
 満員の観客が見守る舞台で、持ち味のテンポの良い漫才を披露した。もしもコーヒーショップの店員が歌舞伎役者だったら-。最近評判になっている「歌舞伎漫才」だ。店員役の嶋川さんが「見え」を切る。日本舞踊の名取の資格を持っているだけに、所作が美しい。「早くしてよ!」。関さんが小気味よい「ツッコミ」を入れる。本県で磨いた話芸が何度も爆笑を誘った。
 震災と原発事故後も本県にとどまり、所属する「みちのくボンガーズ」の他のメンバーと共に精力的に活動している。テレビ、ラジオ、イベント出演と毎日大忙しだ。4月には福島市中心部に常設の劇場を開いた。「芸人として育ててくれた福島に恩返しを」。そんな思いがいつも心にある。今大会に挑んだのも県民を笑顔にしたいとの一心からだ。
 次の夢はボンガーズ全員での米国公演だという。今回、受賞は逃したが観客の反応は上々で、確かな手応えを感じた。「笑いにゴールはない。もっと面白くなりたい。福島をメーンに、いろいろな舞台に立って勉強していく」。嶋川さんと関さんはこれからも芸の道に精進していく覚悟だ。

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歌舞伎を題材にしたネタで会場を爆笑させた「母心」の嶋川さん(左)と関さん
歌舞伎を題材にしたネタで会場を爆笑させた「母心」の嶋川さん(左)と関さん

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