自己責任とは「他人のせい」にすることではなく「自分のせい」にすること

2013/06/29


「自己責任」についての議論が盛り上がっていますね。


「他人のせい」にするのではなく「自分のせい」にする

自己責任とは何か。さまざまな考え方があるテーマですが、ぼくはひとつ、自己責任という言葉は「他人のせい」にするのではなく、「自分のせい」にするときにこそ、使うべき言葉だと考えています。


たとえば、ホームレス状態に陥った人を、「お前が今の状況に陥ったのは自己責任だ!」と語る。
ひきこもり状態にある人を、「ひきこもりになったのは自己責任だ!税金で助けるなんてもってのほかだ!」と主張する。
仕事で失敗した部下を、「お前が失敗したのはお前の責任だ!」と罵る。


「自己責任」を他人になすりつけるとき、その人はまさにその「自己責任」から逃れていることに気がつかなければなりません。平たく言えば「他人のせい」にしているというわけです。

「他人のせい」にすることが高じていけば、人々の断絶は深まり、困窮状態は悪化していくばかりです。「他人のせい」を極めていった結果、社会が不安定になり、貧困、犯罪、疫病が蔓延したとき、もはやそれは「他人のせい」にできなくなるでしょう。

極論ですが、世界は「縁」で結ばれているものですから、厳密にいえば「他人のせい」なんてものはないわけです。あの人の苦労や失敗の原因は、実は自分にもある。完全に無関係でいることなんて、できないわけです。世界の関係性に気づかず「わたしはあの人と一切の関係がない」と無責任を決め込むのは、鈍感な態度ともいえます。


本当の大人とは、あらゆる問題について、積極的に「それは自分にも原因がある」と考えて行動できる人たちです。

ホームレス、ひきこもり、失敗した部下、何かの原因で困窮状態にある人たちに対して、「あなたが今困っているのは、わたしにも原因がある。だからわたしは、あなたに関与する」という態度を取ることです。

彼はその意味において、「自己責任」論者です。他人のせいにするのではなく、自分のせいにして、責任を引き取ろうとしているということですから。


責任を引き受けていくためには、文字通り超人的な存在である必要があります。電波なようですが、「私は私ではない。私はあなたであり、私は世界そのものである」と考える必要があります。この理解を肌感覚で掴むのは、そう簡単な話ではありません。ぼくは最近余裕が出てきたので、超人的であろうと努力しています。


難しい話はさておき、「それはお前のせいだ!」という態度を突き詰めていけば、この世が不幸になっていくのは、少し考えればわかる話です。

これから必要なのは、「それは私にも原因がある」と考える「自己責任論者」です。問題を「当事者」として捉えることができる人たちが増えれば、世の中の問題は解決に近づくでしょう。


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