今回は、デイトレーダーの間で密かに人気を集めているという「クライアント型トレードツール」について紹介したい。
国内ネット証券のトレードツールは、ほとんどが「サーバー型」を採用している。一方、クライアント型ツールは、岡三オンライン証券の「岡三ネットトレーダー」が代表的存在である。
■「クライアント型トレードツール」とは何か?
クライアント型ツールでは、逆指値などの特殊注文をユーザーのパソコン側で処理する。一方、サーバー型ツールでは、注文機能を証券会社のサーバーで管理する。これが大きな違いである。
一見、たいした差でないようにも見えるし、クライアント型の「特殊注文をユーザーのパソコン側で処理」なんてあり得ないようにも思える。どういうことなのか。
例として、「逆指値注文」について考えてみよう。逆指値とはざっくり言うと、「今より高くなったら買い、安くなったら売る」注文方法だ。設定価格になると自動発注される。
下落から上昇に転じたトレンド初期の仕掛け。自動損切りによる、リスク拡大の防止。保有銘柄の早売り防止と利伸ばしなど、メリットは多い。
たとえば、サラリーマンが朝に保有銘柄のリスク対策として、逆指値を設定して会社に出かけたとする。サーバー型のトレードツールならば、逆指値注文は、ネット証券のサーバーで管理されるため、自宅のパソコンは電源を落として会社に出かけられる。
一方、クライアント型ツールでは、注文を自宅のパソコンで管理するため、出かける時もパソコンを立ち上げっぱなし。何らかの理由でパソコンの電源が落ちれば逆指値は作動せず、損失拡大を防げない心配がある。
つまり、パソコンがおかしくなってもすぐに対処できる専業のトレーダー、またはそれに近いアクティブなトレーダーでないと、そもそも使いづらいツールとも言える。
そうまでしてクライアント型を使う理由は何か?
■板が30枚同時に出せて、すべての板から発注できる
クライアント型ツールの利点は、まず“超”が付くほど多機能なことだ。
たとえば、「板」を複数の銘柄について同時に立ち上げ、すべての板から「板注文」をかけることができる。
板注文とは、複数の気配値を表示した板をマウスでクリックして注文する方法。最近では、取引パスワードや確認画面を省略してマウスのクリック(ダブルクリック)だけで注文できるトレードツールが増えている。
また、逆指値注文なども板から行えるツールは多い。値動き、気配数量などを板上で見ながら、直感的ですばやくタイムリーな注文が出せるわけだ。
↑「岡三ネットトレーダー」の板注文画面。現値141円より高くなり、149円になったら買い注文が出る逆指値を設定しているところ。ただし、多くのネット証券で表示できる注文用の板は1つのみ。一方、クライアント型である岡三ネットトレーダーの場合、注文用の板をなんと30枚まで表示できる。実際、4枚、8枚と多数の板を同時表示しながらトレードする人もいるという。