「それってセフレでしょ?」




セックスフレンド?

失礼だけど、そう言われた時は鼻で笑いそうになっちゃった。



正直呆れる。




そこらへんの雌豚とわたしを一緒にしないでくれる?

それよりも、そう、

そこらへんの下衆とあの方を一緒にしないでくれる?




失礼な男。








「なにも考えられないM女なんてただの淫乱。」
「そんな雌豚は嫌いだし、愛でる価値なんてないよ。」

この言葉をあの方にぶつけられたときに、
わたしは主従とSMと、セックスと、

それがもう、全てが別物で同一で、というか
つながっているものなのかもしれないって悟った。





「だけどおまえは、ちがうよね?」


そのときわたしは何も答えられなかった。




あの方は、あの時のわたしが
ただ躾のゆきとどいていない、つまり、節操のない女だってわかってたの。
セフレなんていたことはなくても、
快楽とか欲求をわたしは抑えるのに精いっぱいだったから。
だからあえて、あんなふうに意地悪な目で、意地悪に微笑んで、
意地悪にわたしを押し倒したの。

まるでわたしがあの方に、「あの方のSM」に魅了されて
離れられなくなって、戻れなくなって、
あの方を欲せざるを得ないようになることを全部わかっていたみたい。



セックスするだけの相手?
あの方が?

おこがましいにもほどがある。
失礼にもほどがある。
あの方をそんなに軽く薄っぺらく見るなんて、
わたしに彼を侮辱するような言葉をかけてくるなんて、
本当にいい度胸してるよね。





自分をおさえずに淫らに快楽をむさぼるだけの女なんて
美しくもなんともない。
魅力なんてひとつもない。
なんて貧相な女。
醜い女。
下品な女。
下世話な女。
つまらない女。


そんな女を相手にする男は、
そんなふうにどんな女にも鼻の下をのばして
手を出しているような男は
わたしにとってはただの下衆。
だらしない。



セックスを楽しむのは自由。
セフレがいる人たち全員を悪く言うつもりはないけど、
だけどあまりにもだらしないのはただ醜いだけ。
それを自覚できないのはもっと汚い。痛々しい。






セフレっていうのはセックスを楽しむ目的のふたりが
それだけを理由に関係を持つ、ギブアンドテイクの関係でしょ?

わたしが思う主従はちがうの。
ギブアンドテイクなんて、そんな単純なものじゃない。
わたしは「SMプレイ」をプレイとして受け止めてるわけじゃない。
慕って、尊敬して、許して、受け入れて、信頼して、心配して、感謝して、
その上で彼を愛するの。
だからこそ、そこに痛みや羞恥や苦しみが伴って
それでも、それだからこそ深めていける関係なの。


なにをどう間違えたらそれを同一化できるの?




でも
アナタには一生わからない。
わかれない。わかってほしくない。


わたしと、あの方と、あの方のペットと、あの方の奴隷と、
「あの方のSM」の世界にいる人にしか、
「あの方のSM」にベクトルを向けている人にしかわからない。

わたしはそれを責めるつもりはぜんぜんない。
だから、
わからなくていいから、
わかったような口でこじつけを言うのはやめてくださいね。

アナタの考えを否定するつもりは全くないし
わたしの考えに対する意見をいただくのありがたいことかもしれないけれど
他人の世界を否定しかできないような貧相な男に
SMを語ってSMをする資格はないんじゃないでしょうか。

互いを受け入れて思いやれる紳士や淑女でなければ、
望まない死だってあり得ることをするんですからね。




結局、SMもセックスも主従も、
ひとそれぞれが違うんだから。

あの方とわたしや奴隷やペットだって、
多少のズレがあったとしてもただ方向性が重なっているってだけで
SMや主従やセックスに対する価値観が全く同じなはずがない



それを偏見で否定してアナタの持論を押し付けてくるような
アナタの器の小ささにわたしはとにかく呆れてしまっただけです。