あの方のお部屋

鞭やら手錠やら蝋燭やら
綺麗に手入れされて並べられた棚があって
その横にはパイプ式のベッドがあって、

オレンジ色の光だけが灯ってる。
無音の部屋。わたしと彼のふたりきり。



あの方は椅子に、わたしは彼の前にひざまずいて
顎をつかまれて彼と見つめあう。

わたしの中の何かを探っているような目で、
わたしの顔をじっと見つめている。
綺麗な顔。
見つめられていることよりも見ているのも躊躇されるような
整った顔。
だけど目をそらせない。


不意にわたしをつかんだ手に強く力が込められて
顔をしかめるわたしを見て彼の無表情だった目の奥がわらう。



わたしの少しのびた髪をかき上げながら
肌のきめを確かめるように頬、耳、首、肩、と手をおろしていく。
その間目をそらすことを許されない。

いきなり頭を彼のそこに押し付けられて
熱くなっているのを顔面で感じながら
愛しい彼に頬ずりをする。



彼はわたしを愛していて、

それでいて、それだから、
表情を変えずに頭をなでながらわたしを見下ろす。
視線を感じながら
布の上から彼に口づけていく。


じかに触れたいと思って
ベルトをはずそうとすると頭をつかまれてやめさせられてしまう。
口さびしくて眉間にしわがよる。

足を舐めるように促され、
顔を指先へと近づける。
足の甲にキスをして、それから親指、人差し指、中指、薬指、小指、と
順々に丁寧に愛しさと忠誠心をこめて舐めあげる。

すこし伸びかけの爪がときどき歯に当たって、
その振動が体中に行き渡る。


からだの疼きを感じつつ、
甲から足首、すね、ひざ、と徐々に上に唇を這わせる。
もういちどそこに行きつきそうだったのに、
髪をつかまれて上を向かされる。
そのままベッドに倒された。
乱れた前髪を彼の手がかきわけて、
またあの観察するような目が舐めるようにわたしを見ている。

突然彼の舌がわたしの口に割り込んで
喉の奥を刺激してきた。思わず声が出てしまう。
もっとほしいと首に腕をまわそうと思う頃には離れてしまっていて、
もどかしくて声にならないため息がこぼれる。




ふいにわたしの横に寝転がって
無防備に両腕をベッドにほうり出す彼。
それを「許可」だと受け止めて、上にまたがって
服の上から彼の胸に手を置き、片側に軽く口づける。


丁寧にベルトをはずして何もかもとっぱらう。
太ももの内側を優しくなぞりながら心をこめて唇で全体を愛撫する。
唾液をたっぷりと塗りたくり、
先端から出ていたものを舐めながら尿道の周りを優しく刺激する。
すでに大きくなったそれを舌の裏側で刺激し、タマを転がすようにいじっていると、

頭を強くつかまれて口の中に無理やり押し込まれた。
喉の奥の奥まで入り込まれて激しく頭を動かされる。

嗚咽を押し殺して舌を動かすと、
力を緩めて頭をなででくれた。
上からため息がきこえて、
嬉しくなってしつこいくらいに舌を絡めていく。

わたしのお尻や太ももを彼の手がすべっていって、

耐えられずに顔を上げると
また無理やりにあてがわれてしまう。
























こういう感じ。



そのあとは内緒。