そう、それから聞かれたの。
「縛ってほしい?抱いてほしい?どちらかひとつしてあげる。」
わたしは「どっちも」って言いたかったけど
だけどそれを言うにはもっとファニーな雰囲気が必要だと思ったから。
「抱いてください。」
って。
あの方に奉仕をしてそれだけで幸せで。
忠誠心と、愛情と、ぜんぶをこめて。
薄くなった噛み跡のとなりに、
新しい噛み跡をつけていただいて
首を絞めていただいて
口も、膝も、あそこも、アナルも、
からだの傷跡をぜんぶ見ていただいて
それから抱きしめていただいて。
そのころには明るくなり始めてて、
目が覚めたのはお昼くらいかな。
あの方はまだお休みになられていて
だからわたしはあの方の背中を見ながらずっと考えてた。
あの方の仰ってた言葉。
「Lv.4くらいになるなら、海外に行くことは考えない方がいいよね」
「理屈や理由がないものこそが一番大事だよ」
このふたつ。
どうすればいいんでしょう。
こればっかり。
どうすればいいんだろう。
どうすれば。
まとまらないね。
うんつまりね
わたしはあの夜にあの方のペットになって、
たくさんたくさんお話をいただいたってこと。
それでわたしは、ただペットにしていただいたことを
手放しには喜べないってこと。
今は、少し混乱してる。
言葉にできなくてちょっとつらい。
ときどき、あの方のにおいをふわっと思い出すことがある。
そのたびに、漠然としない気持ちになって
どうにもならなくなる。
もう本当にどうにもならない。
あの方のお部屋。
あたらしい噛み跡。