名古屋グランパスのFWジョシュア・ケネディ(30)が27日、状態が良好であることを宣言した。この1カ月間はオーストラリア代表としてW杯アジア最終予選に参加していたが、試合よりも厳しいトレーニングを消化していたことを明かした。ストイコビッチ監督からは状態のチェックや個人面談を受け、今後について話し合った。
ストイコビッチ監督が見つめるなか、ケネディはただ一人、ゴールマウスと対峙(たいじ)した。状態のチェックを兼ねた約30分間の居残りシュート練習。コーンの上に置いたボールをトラップで落として狙う練習ではGK楢崎相手に見事なコントロールシュートを連発。状態の良さをアピールし「自分でも自分に驚いている」とおどけた。
苦闘の前半戦だった。昨年の腰痛手術から4月20日に先発復帰。しかしそれ以来、チームは7試合勝ちなしの5連敗となった。前線でボールをキープできず、状態が上がっていないのは誰の目にも明らか。W杯アジア最終予選でも4日の日本戦、11日のヨルダン戦は出番は回ってこなかった。
ただ勝てばW杯出場が決まる予選最終戦、18日のイラク戦ですべての流れを変えた。後半33分についに投入されると、その5分後、打点の高いヘッドで母国をW杯に導く決勝弾をたたき込んだ。「みんながのしかかってきて、オレも心配になったよ。でも大丈夫だった」。興奮の渦のなかでほとんどの選手とスタッフの体重を背中で受け止めたが、腰は悲鳴を上げなかったという。
「試合にほとんど出られなかったが、ハードな練習をやってきた」と胸を張ったケネディ。5日間練習し、試合直前の2日間は疲労を抜くサイクルで、5月末から1カ月を過ごした。同国代表のオジェック監督も4日の日本戦前日、「彼は日に日に良くなっている。明日の試合に出場することも可能だ」と回復に太鼓判を押していた。
29日の阪南大戦は先発で45分間出場予定。「次はグランパスのためにゴールを決めたい」と語るグランパスのキングが、まずは完全回復を証明する。 (宮崎厚志)
◆ピクシー「チームのためのゴールを」
豪州をW杯に導くゴールを決めて気分良く合流したケネディに対し、ストイコビッチ監督はあくまでもチームでの活躍を求めた。26日の練習試合後、「それはわれわれには関係のないゴールだ。彼にとっては自信になるだろうが、チームのために決めてほしい。ここ5試合以上のものを出してほしい。それは明らかなことだ」と、突き放すような強い口調でさらなる発奮を要求した。
この日も居残りシュート練習の合間に約5分間個人面談し、今後の調整法や7月下旬の東アジア杯での代表招集などについて話し合った。
◆ダニエルに男子誕生
名古屋グランパスは27日、DFダニエル(31)に26日に男子が誕生したことを発表。母子ともに健康で、ダニエルは「私たちに新しい家族が加わったことは、とても素晴らしいこと。新しい命を与えてくれた神様に感謝しています」とコメントした。
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