Updated: Tokyo  2013/06/28 07:25  |  New York  2013/06/27 18:25  |  London  2013/06/27 23:25
 

6月27日の米国マーケットサマリー:円は全面安、S&P500種続伸

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  6月27日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3042   1.3012
ドル/円             98.29    97.72
ユーロ/円          128.18   127.17


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       15,024.57     +114.43    +.8%
S&P500種           1,613.20      +9.94     +.6%
ナスダック総合指数    3,401.86     +25.64     +.8%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .36%        -.02
米国債10年物     2.47%       -.06
米国債30年物     3.53%       -.05


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,211.60    -18.20   -1.48%
原油先物         (ドル/バレル)   96.80     +1.30    +1.36%

◎NY外国為替市場

27日のニューヨーク外国為替市場では円が主要16通貨すべてに対して下落した。債券購入の縮小を開始できるほど米国の景気は強くないとの見解を米金融当局者らが示したことから、円はこれまでよりも国内緩和策の影響を受けやすくなるとの見方が広がった。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、経済の成長ペースが金融当局の予想を下回った場合は資産購入プログラムを延長する可能性があると述べた。ユーロは対ドルで上昇。6月のユーロ圏景況感指数 がエコノミスト予想を上回る改善となったことが影響した。英ポンドは下落。1-3月(第1四半期)の可処分所得が25年ぶりの大幅減少となったことが嫌気された。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「リスクセンチメントに回復が見られ、安全性としての円の需要が減退した」と述べ、「米緩和策縮小は数日前に投資家が予想していたほど厳しいものではなさそうだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時47分現在、円は対ドルで0.6%下げて1ドル=98円28銭。円は対ユーロでは0.8%下げて1ユーロ=128円21銭。ユーロは対ドルで0.3%上昇して1ユーロ=1.3046ドル。

◎米国株式市場

米株式 相場は3日続伸。S&P500種株価指数の3日間の上げとしては1月以降で最大となった。経済指標が予想を上回ったことに加え、金融当局者が緩和維持を示唆したため、買いが続いた。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1613.20で終了。ダウ工業株30種平均は114.35ドル(0.8%)上げて15024.49ドルで終えた。

クリスティアナ・バンク・アンド・トラストの運用担当者、トーマス・ニューハイム氏は電話インタビューで、「市場は悲観的で、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言に対して、先週は下振れ方向に過剰反応した」と指摘。「金融当局者は量的緩和を年内に縮小するにしても、年末近くになることを示唆している。市場参加者はこうした今聞かれる発言にはるかに満足しており、相場上昇で反応しているわけだ」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は続伸。債券購入プログラムの縮小見通しについて市場は過剰反応した可能性があると、金融当局者らが示したことから買いが入った。先週から売りが続いたことで、利回りは2011年以来の高水準に押し上げられていた。

10年債利回りはほぼ1週間ぶりの低水準を付けた。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は債券購入プログラム延長の可能性を示唆。またアトランタ連銀のロックハート総裁は、政策金利の引き上げが予想よりも早く実施されるとの見方を抑えようと努めた。この日の7年債入札(発行額290億ドル)では、間接入札者 の落札比率が約2年で最大となった。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「債券購入プログラムの縮小について市場が実際見せた反応は、金融当局が意図したものと違ったようだ」と指摘。また「利回りは2年ぶり高水準付近で推移している」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後3時18分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.47%。一時2.46%と、21日以来の水準に下げた。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は1/2上げて9322/32。利回りは24日に2.66%と、11年8月以来の高水準を付けた。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は4日続落。引け後には一時オンス当り1200ドルを割り込み、2年10カ月ぶりの安値となった。米経済指標が市場予想を上回ったことを背景に、金売りが続いた。

5月の米個人消費は増加したほか、中古住宅販売成約指数は約6年ぶりの高水準に上昇。新規失業保険申請件数は減少した。金に裏付けされた上場取引型金融商品(ETP)としては世界最大の「SPDRゴールド・トラスト」を通じた投資家の金保有量は今年に入って28%減少し、2009年2月以来の低水準となっている。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「もはや誰も金の保有を望んでいない」と指摘。「大量の手仕舞い売りで、下げが続いている。米経済に関するニュースは支えになっていない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比1.5%安の1オンス=1211.60ドルで終了。引け後には一時1196.10ドルと、2010年8月以来の安値をつけた。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は4日続伸。新規失業保険申請件数の減少と個人消費支出の増加を受けて、1週間ぶりの高値で引けた。

労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数は前週から9000件減少して34万6000件にとどまった。商務省が発表した5月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増加した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「原油価格は景気の改善と需要拡大への期待に支えられている」と指摘。「良好な経済データが出てくる限りは、原油は下がりにくい」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比1.55ドル(1.62%)高の1バレル=97.05ドルで終了。終値ベースで19日以来の高値となった。

更新日時: 2013/06/28 05:41 JST

 
 
 
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