Updated: Tokyo  2013/06/28 07:23  |  New York  2013/06/27 18:23  |  London  2013/06/27 23:23
 

6月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:円は全面安、米当局は緩和策を継続との観測で

27日のニューヨーク外国為替市場では円が主要16通貨すべてに対して下落した。債券購入の縮小を開始できるほど米国の景気は強くないとの見解を米金融当局者らが示したことから、円はこれまでよりも国内緩和策の影響を受けやすくなるとの見方が広がった。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、経済の成長ペースが金融当局の予想を下回った場合は資産購入プログラムを延長する可能性があると述べた。ユーロは対ドルで上昇。6月のユーロ圏景況感指数 がエコノミスト予想を上回る改善となったことが影響した。英ポンドは下落。1-3月(第1四半期)の可処分所得が25年ぶりの大幅減少となったことが嫌気された。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「リスクセンチメントに回復が見られ、安全通貨としての円に対する需要が減退した」と述べ、「米緩和策縮小は数日前に投資家が予想していたほど厳しいものではなさそうだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.6%下げて1ドル=98円35銭。円は対ユーロでは0.8%下げて1ユーロ=128円23銭。ユーロは対ドルで0.2%上昇して1ユーロ=1.3038ドル。

円は月初からドルに対して2.1%上昇した。四半期ベースではユーロが1.7%上昇と主要通貨の中でも最も値上がりしている。一方、最も下げがきつかったのはオーストラリア・ドルの11%安だった。年初来ではドルが最も値上がりしている。

緩和策縮小の見通し

チャプデレーンFX(ニューヨーク)のマネジングディレクター兼外国為替責任者、ダグラス・ボースウィック氏は、「世界的に多くのリーダーが米金融当局の緩和策縮小は近日中に開始することはないとの議論を交わしており、米当局もその意図を明確に示すことを望んでいる」と指摘、「ここ数日でトレーダーは落ち着きを取り戻し、この先は円が下落すると予測している」と続けた。

日本銀行は月間7兆円程度の国債を買い入れいており、2年以内にインフレ率2%を目指している。

欧州連合(EU)の欧州委員会が発表した6月のユーロ圏景況感指数は91.3と、先月の89.5(改定値)を上回った。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト32人の予想中央値は90.4だった。統計発表後にユーロは上昇した。

ポンドが下落

ポンドは対ドルで0.4%安。一時は3週ぶり安値に下落した。政府統計局(ONS)が発表した第1四半期の国内総生産(GDP)確定値(季節調整済み)は前期比0.3%増。5月23日公表の改定値と一致した。家計の実質可処分所得は前期比1.7%減と、1987年以降で最もきつい落ち込みとなった。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、外為オプションの店頭取引は合計275億ドル。前日は388億ドルだった。この日の総額のうち対円でのドルのオプションの出来高は60億ドルで、シェアは22%と最大だった。

JPモルガン・チェースがまとめる主要7カ国(G7)通貨を基に算出されるボラティリティ指数 は11.43%。24日は11.96%と、2012年1月以来の最高をつけた。

原題:Yen Weakens on Outlook for Fed to Maintain Stimulus; PoundDrops(抜粋)

◎米国株:S&P500種が3日続伸、1月以降最大の上げ-指標好感

米株式 相場は3日続伸。S&P500種株価指数の3日間の上げは1月以降で最大となった。経済指標が予想を上回ったことに加え、金融当局者が緩和維持を示唆したため、買いが続いた。

S&P500種のセクター別 では10業種のうち9業種が上昇。JPモルガン・チェースやシティグループなど金融株が高い。D.R.ホートンやレナーが上げ、S&P住宅建設株指数も上昇した。タイム・ワーナー・ケーブルは大幅高。関係者によると、資産家ジョン・マローン氏はケーブルテレビ(CATV)運営のチャーター・コミュニケーションズがタイム・ワーナーを買収するシナリオを模索している。同氏率いるリバティ・メディアはチャーターの大株主。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1613.20で終了。ダウ工業株30種平均は114.35ドル(0.8%)上げて15024.49ドルで終えた。米証券取引所全体の出来高は約62億株と、3カ月平均を4.4%下回った。

GMGディフェンシブ・ベータ・ファンドの共同運用責任者で、ゲーリー・ゴールドバーグ・ファイナンシャル・サービシズの社長を務めるオリバー・パーシュ氏は電話インタビューで、「データは引き続き経済が非常に緩やかなペースで成長し、雇用も非常にゆっくりしたペースで回復していることを示している。それは金融当局が今年、政策の軌道を修正する確率が非常に低いことを意味し、先週の調整が感情的なもので過剰反応だった可能性を一段と強めるものだ」と指摘した。

経済指標

5月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値と一致した。前月は0.3%減(速報値は0.2%減)と、2009年9月以来で最大の減少率だった。個人所得は前月比0.5%増加した。

5月の米中古住宅販売成約指数は前月比で上昇し、約6年ぶりの高水準となった。先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比9000件減の34万6000件だった。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、経済の成長ペースが金融当局の予想を下回った場合は資産購入プログラムを延長する可能性があると述べた。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)理事は、経済成長を維持できれば年内に資産購入を縮小する可能性があると述べ、その時期は暦ではなく経済統計によって決まると指摘した。

前日にはリッチモンド連銀のラッカー総裁が「この先数年間は米国の成長が低調に推移する」との見通しを示していた。

景気敏感株に買い

S&P500種のセクター別では金融株と通信サービス株の上げが目立った。景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.1%上昇。ヒューレット・パッカード(HP)は3.2%、ボーイングは2.4%それぞれ上げた。

S&P住宅建設株 指数は2.9%高となり、3日続伸。構成する11銘柄のうち10銘柄が上げた。D.R.ホートンとレナーはともに3.8%上昇。

調査会社トリムタブス・インベストメント・リサーチによると、米国で登録されている債券の投資信託と上場投資信託(ETF)からの今月の資金流出は24日時点で617億ドルと過去最高を記録した。

マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツの最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「債券市場から流出した資金はどこかに向かう必要がある。マネー・マーケット・ファンド(MMF)のリターンはないに等しく、債券の魅力は薄れている。そのため、米国株がこの先、相対的に最も魅力的な資産となりそうだ」と話した。

原題:S&P 500 Has Best 3-Day Rally Since January on EconomicReports(抜粋)

◎米国債:続伸、緩和縮小見通しに市場は過剰反応と当局者が指摘

米国債相場は続伸。債券購入プログラムの縮小見通しについて市場は過剰反応した可能性があると、金融当局者らが示したことから買いが入った。先週から売りが続いたことで、利回りは2011年以来の高水準に押し上げられていた。

10年債利回りはほぼ1週間ぶりの低水準を付けた。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は債券購入プログラム延長の可能性を示唆。またアトランタ連銀のロックハート総裁は、政策金利の引き上げが予想よりも早く実施されるとの見方を抑えようと努めた。この日の7年債入札(発行額290億ドル)では、間接入札者 の落札比率が約2年で最大となった。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「債券購入プログラムの縮小について市場が実際見せた反応は、金融当局が意図したものと違ったようだ」と指摘。また「利回りは2年ぶり高水準付近で推移している」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時59現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.47%。一時2.46%と、21日以来の水準に下げた。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は17/32上げて9322/32。利回りは24日に2.66%と、11年8月以来の高水準を付けた。

既発7年債 の利回りは7bp低下し1.89%。30年債利回り は5bp下げて3.53%。

6月の相場

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米国債の出来高は9%減の4190億ドル。年初以降の平均は3220億ドル。

ブルームバーグ米国債指数によれば、米国債のリターンは今月に入りマイナス1.8%。株式のMSCI世界指数 は配当の再投資分を含めて3%下落。

10年債利回りは先週、週間で40bp上昇と、03年のイラク戦争開始以降で最大の上げとなった。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、景気が予想通りに回復した場合、年内にも量的緩和を縮小させ始め、14年年央には終了する可能性があると述べた。

ロックハート総裁はこの日の講演で、たばこをやめようと努力する喫煙者になぞらえて、「バーナンキ議長は禁煙パッチを柔軟に使おうと話したのに対して、一部の市場関係者は議長が直ちに禁煙すると述べたかのように受け止めた」と説明した。

ダドリー総裁は、資産購入ペースの減速を決定したとしても刺激策からの引き揚げを意味するわけではないとし、政策金利の引き上げは「ずっと先になる可能性が非常に高い」と述べた。また米経済は金融当局の予想からそれる可能性があると付け加えた。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レイ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「金融当局は政策金利が近く引き上げられるとの市場の見方を多少修正しようとしている」と分析した。

7年債入札

この日の7年債入札では、最高落札利回りは1.932%。入札直前の市場予想は1.942%だった。前回入札(5月30日)での最高落札利回りは1.496%。

投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.61倍。過去10回の入札の平均は2.67倍。

海外の中銀を含む間接入札者の落札全体に占める割合は46.4%と、11年8月以来で最大。過去10回の入札の平均は37.8%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の割合は15.7%と、12年7月以降で最小。過去10回の平均は19.4%。

原題:Treasuries Gain as Fed Officials Say Outlook DrewOverreaction(抜粋)

◎NY金:続落、米経済指標が予想上回る-引け後に一時1200ドル割れ

ニューヨーク金先物相場は4日続落。引け後には一時オンス当り1200ドルを割り込み、2年10カ月ぶりの安値となった。米経済指標が市場予想を上回ったことを背景に、金売りが続いた。

5月の米個人消費は増加したほか、中古住宅販売成約指数は約6年ぶりの高水準に上昇。新規失業保険申請件数は減少した。金に裏付けされた上場取引型金融商品(ETP)としては世界最大の「SPDRゴールド・トラスト」を通じた投資家の金保有量は今年に入って28%減少し、2009年2月以来の低水準となっている。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「もはや誰も金の保有を望んでいない」と指摘。「大量の手仕舞い売りで、下げが続いている。米経済に関するニュースは支えになっていない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比1.5%安の1オンス=1211.60ドルで終了。引け後には一時1196.10ドルと、2010年8月以来の安値をつけた。

原題:Gold Falls Below $1,200 to 34-Month Low on U.S. EconomicData(抜粋)

◎NY原油:4日続伸、1週間ぶり高値-米経済統計を好感

ニューヨーク原油先物相場は4日続伸。新規失業保険申請件数の減少と個人消費支出の増加を受けて、1週間ぶりの高値で引けた。

労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数は前週から9000件減少して34万6000件にとどまった。商務省が発表した5月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増加した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「原油価格は景気の改善と需要拡大への期待に支えられている」と指摘。「良好な経済データが出てくる限りは、原油は下がりにくい」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比1.55ドル(1.62%)高の1バレル=97.05ドルで終了。終値ベースで19日以来の高値となった。

原題:Crude Rises to One-Week High as U.S. Jobless ClaimsDecrease(抜粋)

◎欧州株:3日続伸、米経済指標を好感-アルカテルとドラックス高い

27日の欧州株式 相場は上昇。指標のストックス欧州600指数はここ5週間で最長の3日続伸となった。米個人消費が5月に持ち直したことが手掛かり。

フランスの通信機器メーカー、アルカテル・ルーセントは6.4%上昇。モルガン・スタンレーが「買い」に相当する投資判断を維持した。英発電会社ドラックス・グループは7.3%の大幅高。英政府が再生可能エネルギーを対象とする補助金の詳細を明らかにしたことが買い材料。

ストックス欧州600指数 は前日比0.7%高の286.42で終了。一時は0.3%下げた。月初来では4.8%安と、月間ベースでは1年ぶりのマイナスとなっている。

BGL・BNPパリバの株式ストラテジスト、ギヨーム・デュシェーヌ氏(ルクセンブルク在勤)は電話インタビューで、「プラスの内容の経済指標は、米経済が実際に回復局面にあることを裏付ける」と指摘。「これから株式相場にとって最も重要なのは、経済との連関だ。流動性に左右された相場は、経済に動かされる相場になりつつある。従って、経済面で明るいニュースはどれも好材料になる」と語った。

米商務省が発表した5月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増加。4月は0.3%減少だった。

この日の西欧市場では、18か国中15カ国で主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Climb After U.S. Data;Alcatel, Drax Group Rise(抜粋)

◎欧州債:軒並み上昇、破綻銀行の処理めぐる合意で-伊入札が順調

27日の欧州債市場ではユーロ圏諸国の国債が軒並み上昇した。欧州連合(EU)財務相が破綻銀行の処理に関して合意に達したことを背景に、当局は域内金融危機を克服できるとの信頼感が高まった。

イタリア政府がこの日実施した計50億ユーロの5年物と10年物の入札で需要が増したことも、同国債の支援要因。スペイン10年債利回りは1週間ぶり低水準に下がった。金融政策を緩和的にとどめるとの欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言を受け、同利回りは前日に1月以来の水準まで低下していた。ドイツ国債は3日続伸。

INGバンクのシニア金利ストラテジスト、アレッサンドロ・ジアンサンティ氏(アムステルダム在勤)は「破綻銀行の処理に関する合意はプラスに受け止められるべきだ。ここ数週間にわたり懸念材料だったからだ」と指摘。さらに「緩和的な金融政策の継続を再確認させるECB当局者からの発言で市場の懸念は和らいだ」と語った。

ロンドン時間午後4時55分現在、イタリア10年債利回りは前日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し4.57%。前日は15bp下げ、7日以来の大幅低下となった。同国債(表面利率4.5%、2023年5月償還)価格はこの日、1.025上げ99.855。

同年限のスペイン国債利回りは6bp低下の4.78%。一時は4.73%と、20日以来の低水準 となった。前日は23bp低下した。

EU財務相理事会は7時間にわたる協議の末、27日未明に破綻銀行の損失の民間債権者への分担と公的支援の規制に関するガイドラインで折り合った。さらに国が支援に乗り出す条件を定めるとともに、ユーロ圏の5000億ユーロ規模の恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)の役割も明確にした。

ドイツ10年債利回りは前日比4bp低下の1.73%。前日も4bp下げていた。

英国債相場は上昇。この日発表された国内総生産(GDP)統計で、英経済が08年のピーク時から景気の谷底までに7.2%縮小したことが示された。従来は6.3%縮小とされていた。

ロンドン時間午後4時37分現在、10年債利回りは4bp低下の2.42%。21日以来の低水準となる2.39%まで下げる場面もあった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、0.29上げ94.505。30年債利回り は3bp下げ3.57%。

原題:European Bonds Rise on Banking Accord,Italian Debt Sale Demand(抜粋)Gilts Climb as Pound Falls to Three-Week LowAfter U.K. GDP Data

更新日時: 2013/06/28 06:55 JST

 
 
 
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