米国株:S&P500種が3日続伸、1月以降最大の上げ
6月27日(ブルームバーグ):米株式 相場は3日続伸。S&P500種株価指数の3日間の上げは1月以降で最大となった。経済指標が予想を上回ったことに加え、金融当局者が緩和維持を示唆したため、買いが続いた。
S&P500種のセクター別 では10業種のうち9業種が上昇。JPモルガン・チェースやシティグループなど金融株が高い。D.R.ホートンやレナーが上げ、S&P住宅建設株指数も上昇した。タイム・ワーナー・ケーブルは大幅高。関係者によると、資産家ジョン・マローン氏はケーブルテレビ(CATV)運営のチャーター・コミュニケーションズがタイム・ワーナーを買収するシナリオを模索している。同氏率いるリバティ・メディアはチャーターの大株主。
S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1613.20で終了。ダウ工業株30種平均は114.35ドル(0.8%)上げて15024.49ドルで終えた。米証券取引所全体の出来高は約62億株と、3カ月平均を4.4%下回った。
GMGディフェンシブ・ベータ・ファンドの共同運用責任者で、ゲーリー・ゴールドバーグ・ファイナンシャル・サービシズの社長を務めるオリバー・パーシュ氏は電話インタビューで、「データは引き続き経済が非常に緩やかなペースで成長し、雇用も非常にゆっくりしたペースで回復していることを示している。それは金融当局が今年、政策の軌道を修正する確率が非常に低いことを意味し、先週の調整が感情的なもので過剰反応だった可能性を一段と強めるものだ」と指摘した。
経済指標5月の個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値と一致した。前月は0.3%減(速報値は0.2%減)と、2009年9月以来で最大の減少率だった。個人所得は前月比0.5%増加した。
5月の米中古住宅販売成約指数は前月比で上昇し、約6年ぶりの高水準となった。先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比9000件減の34万6000件だった。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、経済の成長ペースが金融当局の予想を下回った場合は資産購入プログラムを延長する可能性があると述べた。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)理事は、経済成長を維持できれば年内に資産購入を縮小する可能性があると述べ、その時期は暦ではなく経済統計によって決まると指摘した。
前日にはリッチモンド連銀のラッカー総裁が「この先数年間は米国の成長が低調に推移する」との見通しを示していた。
景気敏感株に買いS&P500種のセクター別では金融株と通信サービス株の上げが目立った。景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.1%上昇。ヒューレット・パッカード(HP)は3.2%、ボーイングは2.4%それぞれ上げた。
S&P住宅建設株 指数は2.9%高となり、3日続伸。構成する11銘柄のうち10銘柄が上げた。D.R.ホートンとレナーはともに3.8%上昇。
調査会社トリムタブス・インベストメント・リサーチによると、米国で登録されている債券の投資信託と上場投資信託(ETF)からの今月の資金流出は24日時点で617億ドルと過去最高を記録した。
マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツの最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「債券市場から流出した資金はどこかに向かう必要がある。マネー・マーケット・ファンド(MMF)のリターンはないに等しく、債券の魅力は薄れている。そのため、米国株がこの先、相対的に最も魅力的な資産となりそうだ」と話した。
原題:S&P 500 Has Best 3-Day Rally Since January on EconomicReports(抜粋)
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更新日時: 2013/06/28 06:47 JST