Updated: Tokyo  2013/06/28 06:20  |  New York  2013/06/27 17:20  |  London  2013/06/27 22:20
 

セントルイス連銀総裁:QE拡大が必要になる可能性も

Share Google チェック

  6月21日(ブルームバーグ):米セントルイス連銀のブラード総裁は米インフレ率がさらに低下するようならば、金融当局は現行で月額850億ドル(約8兆3000億円)の債券購入のペースを加速させる必要があるかもしれないとの考えを示した。

同総裁は21日にワシントンで電話インタビューに応じ、連邦公開市場委員会(FOMC)は「インフレ率の低下が続けば決断を迫られるだろう」とし、「その場合、FOMCは一段と金融を緩和する方法を決めなければならない」と語った。

ブラード総裁(52)は今週のFOMCで、「ここ最近の低いインフレ指標を踏まえ、委員会はインフレ目標を堅持する意欲をより強く示すべきだ」と主張し、債券購入ペースの現状維持に反対票を投じた。同総裁はこの日、当局が債券購入を年内に減らし始める計画を示した「タイミングは不適切」だったとし、景気回復の力強さとインフレ加速の兆候を待つべきだったと論じた。

同総裁はインタビューで、FOMCは声明で低インフレを指摘し、インフレ率がより高い場合よりも「大きな緩和策が可能だ」と示唆するべきだったと述べた。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は19日、FOMC声明発表後の記者会見で、景気が予想通り回復すれば債券購入を年内に縮小し始め、2014年半ばごろには購入を終了するという方向性を示した。

インフレ率低下は一時的か

個人消費支出(PCE)価格指数は4月に前年同月比0.7%上昇と目標を下回り、コア指数は1.1%上昇と記録のある53年間の最低に並んだ。

バーナンキ議長はインフレ率低下を一時的としているが、ブラード総裁は当局が今週発表した最新の景気予測は2015年かそれ以降まではインフレ率が目標に達しないことを示唆していると指摘。景気予測からは「インフレ低下が一時的であるようには見えない」と反論した。

米国債利回りの上昇は成長加速の兆候ばかりではなく、予想よりも早い当局の債券購入縮小の観測も織り込んでいるとして、インフレ調整後の金利上昇は成長を減速させかねない事実上の引き締めだと指摘。「そのリスクがあると考える」と述べた。

さらに金融当局では制御できない要素に大きく左右される失業率に、米当局は注目し過ぎているとの考えも示し、「中期的に可能なことに焦点を戻すべきだ。それはインフレ率を目標に近づけることであり、労働市場の動向に今ほど重点を置くべきではない」と語った。

原題:Bullard Says Fed May Need to Boost QE If Inflation SlowsFurther(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:Atlanta Steve Matthews smatthews@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net

更新日時: 2013/06/22 01:59 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。