債券は上昇、米金利低下や需給の良さで買い優勢-2年債入札は順調
6月27日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。前日の米国10年国債利回りの低下や国内債市場の需給の良さを背景に買いが優勢となり、先物や長期ゾーン主導で相場を押し上げた。きょうの2年債入札は応札倍率が上昇するなど順調な結果となった。
東京先物市場で中心限月の9月物は前日比6銭高の142円31銭で開始。直後に水準をやや切り上げて、しばらく142円60銭前後でもみ合った。午後1時半前後から一段高となり、一時は142円77銭と日中取引で20日以来の高値を付け、結局は44銭高の142円69銭で引けた。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同1ベーシスポイント(bp)低い0.855%で始まり、いったん0.835%と20日以来の水準まで低下。午後の開始後には0.85%を付けたが、再び0.835%に低下した。2年物の329回債利回りは0.5bp低い0.135%。5年物の112回債利回りは2.5bp低い0.31%と14日以来の低水準。20年物の145回債利回りは一時1.69%、30年物の39回債利回りは1.805%まで下げ、ともに1週間ぶり低水準を付けた。
三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、債券市場について、需給の良さや前日の米国債の動きの影響があるとして、「先物から長期ゾーンが強い」と指摘した。今後の長期金利の推移については0.8%台中心にもみ合った後、いったんは低下方向となるが、年末にかけて1%付近に上昇するとの見方を示した。
財務省がこの日実施した2年利付国債(330回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円10銭5厘と事前予想を5厘上回った。小されば好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は1厘と前回の2厘から縮小。投資家需要の強さを示す応札倍率は5.44倍と前回の4.82倍を上回った。
2年債入札でそこそこ需要JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、2年債入札について、「結果は予想より良く、そこそこ需要があった」と分析。債券相場については、市場流動性が低下する中、「朝方から先物や10年債を中心に上昇した」と話した。
26日の米国債相場は上昇。米10年国債利回り は前日比7bp低下の2.54%程度。1-3月の実質国内総生産(GDP)確定値が改定値から下方修正されたことで金融当局が債券購入縮小に近づきつつあるとの懸念が和らいだ。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、米長期金利の低下や相場の地合いの良さもあって買いが先行したと指摘。米国や中国市場の先行き不透明感があるとしながらも、「上値を追いかけてまで買わない」と話していた。
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更新日時: 2013/06/27 16:10 JST