英1-3月GDP確定値:前期比0.3%増-可処分所得は大幅減
6月27日(ブルームバーグ):英経済は2013年1-3月(第1四半期)にプラス成長に回復したものの、可処分所得が25年ぶりの大幅減少となった。
英政府統計局(ONS)が27日発表した第1四半期の国内総生産(GDP )確定値(季節調整済み)は前期比0.3%増。5月23日公表の改定値と一致した。家計の実質可処分所得は前期比1.7%減と、1987年以降で最もきつい落ち込みとなった。賃金減少が一因だった。
ONSはまた、12年第1四半期のGDPを上方修正。これにより、2四半期以上連続でマイナス成長が続くリセッション(景気後退)に英国が昨年は陥らなかったことが明らかになった。
今年1-3月にプラス成長に回復した英経済には、力強さを増している兆候がやや出ているものの、賃金上昇率を上回るインフレ率と政府の歳出削減が家計を引き続き圧迫している。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は今週、最近のデータは景気回復が「視野に入った」ことを示しているものの「満足するには弱過ぎる」と語った。
ドイツ銀行のロンドン在勤エコノミスト、ジョージ・バックリー氏は「2012年に入ってリセッション(景気後退)はなかったというのがトップニュースかもしれないが、この日の統計で良かったのはそれだけだ」と指摘。「まず、リセッションが統計上なかったと言ってもその時期の経済はまだかなり弱かったし、その上、実質所得は圧迫され続けている」と語った。
GDP改定ONSは12年1-3月のGDPを前期比横ばいとし、これまでの0.1%減少から上方修正した。11年10-12月は同0.1%減。12年4-6月(第2四半期)は0.5%減少と、従来の0.4%減から下方修正された。
ONSによれば、英経済は08年のピーク時から景気の谷底までに7.2%縮小している。これまでは6.3%としていた。
原題:U.K. Disposable Income Drops as Data Show Double-DipAvoided (1)(抜粋)
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更新日時: 2013/06/27 19:28 JST