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岩国駅前戦没者慰霊祭「悲惨さ風化させまい」
2010年8月15日(日)掲載
焼香し犠牲者の冥福を祈る遺族ら
終戦前日の1945年8月14日の岩国駅前空襲の犠牲者を追悼する「岩国駅前戦没者慰霊祭」が14日、岩国市麻里布町の第3街区公園内の空襲慰霊碑前でしめやかに営まれた。

米軍機が波状空爆した岩国駅前空襲の被災者は5911人に達し、うち死者517人、行方不明者30人、負傷者859人と伝えられている。「この戦争の悲惨さを風化させてはいけない」と、地元の麻里布地区自治会連合会が毎年、慰霊祭を営み、犠牲者の冥福を祈るとともに、悲惨さを語り継いでいる。

慰霊祭には遺族や自治会関係者のほか、福田良彦市長、桑原敏幸議長、平岡秀夫内閣府副大臣ら計約60人が参列。空襲が始まった午前11時15分、サイレンに合わせて全員が黙とうして始まった。

読経に続いで、木村建彦・同自治会連合会長が「あれから65年もの時が過ぎ、その記憶は人々の脳裏から徐々に薄れてきているように思う。しかし、決して忘れてはいけない平和の尊さを今、この機会があるからこそ思い起こしている」とし、「生かされている私たちが戦争の悲惨さを思い起こし、後世に語り継ぎ、ともすれば忘れがちな平和の尊さを再認識する機会として(慰霊祭は)有意義なものだ。犠牲者の尊い命を決して無駄にすることなく日本の平和と独立を守り後世に伝えることを誓う」との祭祀(さいし)を読み上げた。

来賓の福田良彦市長らが慰霊の言葉を述べたあと、遺族はじめ参列者が焼香し、犠牲者の冥福を祈った。
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