地域ニュース【3月9日(金)〜3月15日(木)】

【2007年3月15日(木) 好きな場所は美観地区 倉敷景観市民アンケート】

 倉敷市は、市民を対象にした景観アンケートの結果をまとめた。好きな場所のトップは美観地区、改善するべき場所の1位に商店街を挙げている。8割が景観づくりの必要性を認識していることも分かった。
 調査は昨年11月、18歳以上の市民5000人を対象に実施。1243人(回収率24.9%)が回答した。
 好きな場所は910人が「倉敷市美観地区」を挙げ、次いで鷲羽山(840人)。高梁川(418人)酒津公園(402人)倉敷チボリ公園(314人)が続いた。
 改善するべき場所は、商店街(395人)、JR倉敷駅周辺(348人)、倉敷中央通りなどの商業地区(223人)、国道や県道沿いの市街地(177人)鷲羽山スカイライン(125人)の順となった。
 景観づくりへ「取り組む必要がある」との回答は「積極的」(33.3%)と「ある程度」(46.9%)を合わせ80.2%に上った。具体策は「歴史的な施設や昔の雰囲気を残す」がトップで640人、「自然の緑環境を残す」と「水環境を残す」がそれぞれ566人だった。
 市は、調査結果を、2007年度末に策定する景観計画や、市全体をエリアとする景観条例づくりに生かす。



【2007年3月15日(木) 山口県ブランド食品開発へ 推進協発足来月テーマ決定】

 地元産の農水産物を使った新商品の開発を促進しようと、山口県は14日、県食品開発推進協議会を設立した。山口市内のホテルで設立総会があり、産官学が連携して新たな山口ブランド商品づくりを目指す。
 県食品産業協議会や県産業技術センター、県商工会議所連合会、水産大学校などの代表者11人の委員で構成。山口大農学部の松冨直利教授を会長に選んだ。事務局は県流通企画室に置く。
 2人のコーディネーターがフグや米などを対象に開発のテーマを探す。決まればテーマごとに専門部会を設け、情報交換しながら商品化につなげる。
 嶋岡正三県農林水産部長は「全国に発信できる商品を一つでも多く生み出したい」とあいさつ。松冨会長は「産地間競争は激しく、個性ある商品の開発が重要」と決意を述べた。4月に開発テーマを決める。



【2007年3月14日(水) 錦川鵜飼いピンチ 地元、落胆といらだち】

 岩国市の錦川鵜飼(うかい)振興会は13日、今年の観光鵜飼いの開催を断念する方針を明らかにした。400年の歴史を誇り、1952年に復活。毎夏、錦川の川面を彩った。昨年が天候不順で不振なシーズンとなり、「振興会の存続もできない状況に陥った」のを理由に挙げる。地元関係者や住民からは落胆とともに、「打つ手はないのか」といらだちの声も上がった。
 「台風の被害を乗り越えた昨年も、多くの支援を受けてできた。残念でならない」。遊覧事業を運営する「錦帯橋遊船の会」の森本佳代子代表(67)は声を落とす。
 鵜飼いは、2005年の台風14号で遊覧船など23隻を失い、昨年も継続が危ぶまれた。岐阜県などの鵜飼い観光地や住民団体から船の寄贈、寄付を受け、同会が遊覧事業を引き継ぎ、開催にこぎ着けた。
 チャリティーコンサートの収益金を寄付した日本舞踊の藤間流藤一(ふじかず)会会長、藤間利紫一(としかず)さん(38)は「このまま途絶えてしまうのは惜しい。存続の道を探ってほしい」と訴える。
 鵜飼いは、錦帯橋と並び、多くの観光客を引き寄せてきた。市観光協会は「旅行会社が鵜飼いをプランから外した昨年でも3000人近い集客。夏の観光に大きな影響が出てくる」とした。
 市は昨年10月から「鵜飼い事業は継続できない」とする振興会と協議を重ねてきた。打開策は見つからず大伴国泰助役は「継続したい思いは強い。振興会の事業をすべて市が引き受けることはできない」と苦渋の表情。
 岩国商工会議所の長野寿会頭は「経済効果の面でも大打撃。開催に向け、市や観光協会と協議したい」と話している。



【2007年3月14日(水) 銀生産の夢 威容再び 大田市】

 今年夏の世界遺産登録を控える大田市の石見銀山遺跡で、明治時代に稼働した清水谷製錬所跡が市の現況調査で往時の姿を現した。市は「石見銀山初の集中的な製錬拠点の遺構がはっきり姿をみせるのは初めて」として13日、報道関係者に公開した。
 清水谷製錬所は明治時代に採掘を進めた藤田組(現DOWAホールディングス)が建設し1895年4月に稼働。大規模な銀生産を見込んだが、思うような成果が得られず翌年10月に操業を停止した。
 1989年に地元住民でつくる大森町文化財保存会が生い茂っていた雑木を伐採。土台となった8段の石垣などが確認されたが専門的な調査は手つかずで、建物が撤去された時期も不明という。
 市は将来的な補修や復元なども視野に今年2月半ばから現況調査に着手。石垣を覆っていたこけや雑草、倒木などを取り除くと、建物の基礎や製錬に関連したとみられるれんが積みの構造物が計10カ所程度で見つかった。製錬に用いられたとみられるるつぼなど数十点も採集した。
 市石見銀山課は「国内有数の製錬所でどんな作業が行われたかを知る貴重な手掛かり。れんが構造物や産業考古学の専門家らの協力を得て詳しい調査、分析を進めたい」と説明。原爆ドームなどで実績のある広島市の業者に委託して三次元計測も進めており、立体画像での施設の復元も目指す。



【2007年3月13日(火) 温浴効果で初年度黒字 尾道ふれあいの里】

 温泉やスポーツ施設などを備える尾道市御調町の「尾道ふれあいの里」が、オープン1周年を迎えた。年間1億円以上の赤字が続いていた研修宿泊施設「県立ふれあいの里」に市が温浴棟を増設するなどし、昨年3月11日に再開。利用客は予想を上回り、初年度は黒字の見通しとなった。
 市から運営を受託する指定管理者のみつぎ交流館(同町、内海和男社長)によると、11日までの利用客は19万5773人で、目標とする10万人の約2倍に達した。1月末までの売上高は4億2400万円で、初年度は少なくとも3000万円の黒字を見込んでいる。
 1981年7月にオープンした県立ふれあいの里は、年間約1億6500万円の運営費に対し、料金収入は約2000万円と厳しい運営が続いていた。スポーツと福祉の町づくりを進めようと旧御調町が県へ働きかけ、2004年度に県から無償移管を受けた。
 05年3月に同町を編入合併した市は、約12億円をかけて施設を改修し、温浴棟を増設。現在、敷地面積40.7ヘクタールの尾道ふれあいの里には、約150人収容の宿泊棟や体育館、研修室、多目的グラウンドなどがそろう。
 内海社長は「4月からはポイントカードを導入する予定。サービス向上に努め、1年目の勢いを持続させたい」と話している。



【2007年3月13日(火) 商店街の顔に似顔絵 岩国駅前店主らモデル】

 ニッコリ笑って、いらっしゃいませ―。岩国市のJR岩国駅前の3商店街の商店経営者らが12日、プロの漫画家を招いて自分たちの笑顔の似顔絵を描いてもらった。似顔絵を使った名刺やポスターを作成し、来店客が親しみやすい「笑店街」づくりを目指す。
 本通り、中通り、中央通りの3商店街の経営者や従業員ら約50人が、同市麻里布町の本通商店街振興組合事務所に集まり、一人当たり約2分間、漫画家高瀬斉さん(62)=東京都=の対面に座ってスマイル。高瀬さんは「趣味はなんですか」などと声を掛けながら、筆ペンで色紙に次々と似顔絵を仕上げていった。
 描いた絵は、パソコンに取り込んで着色などして電子データ化し、経営者らに配布する。著作権は高瀬さんから絵のモデルに譲ってもらうため、名刺やポスター、スタンプに自由に転載できるという。
 国の補助金を受けた中心市街地商業推進活性化事業の一環として、昨年6月に企画。13日も実施し、計約100人が似顔絵を描いてもらう。
 参加した中央通りを活性化する会の木村建彦会長(61)=同市麻里布町=は「どの絵も特徴をつかんでいてそっくり。イベント時のチラシなどに使って、商店街を盛り上げたい」と満面の笑みだった。



【2007年3月12日(月) 「松江通」へ攻略本 商議所が発刊】

 宍道湖の最深部は何メートル? 国際文化観光都市・松江について総合的に学べるテキストブックを、松江商工会議所が発刊した。同所が企画するご当地検定の攻略本でもあり、郷土史家や大学教授らの共著により松江を取り巻く歴史や文化、地理の豆知識を詰め込んだ。
 松江の地形的特色や古代からの歴史、伝統文化を解きほぐした4章で構成した。1―2章は、宍道湖と出雲平野が海峡だった約8000年前から、中海が形成された平安時代以降の地形変化を地図で説明。松江開府の祖である堀尾吉晴、茶の湯を究めた松平不昧、松江から日本文化を世界に紹介した小泉八雲といった偉人の業績も絡めた。
 3章では、出雲神話にも多く登場する市内の神社を中心に紹介。松江鼕(どう)行列などの伝統行事や工芸、宍道湖七珍などを写真付きで解説した。巻末には縄文時代からの歴史年表も付けた。
 テキスト発刊の企画が持ち上がったのは2005年、土地ごとの知識を測る「ご当地検定」が全国各地に広まり始めたころ。発案した松江商工会議所が郷土史家や島根大教授、行政の専門職員らに執筆を依頼し、2年かけて完成した。検定は8月11日と来年2月9日にあり、テキストの1章から中心に出題されるという。
 ちなみに宍道湖の最深部は6メートル。執筆者の一人で県文化振興財団嘱託職員、勝部昭さん(63)は「テキストとしてはもちろん、古代から受け継がれた松江の財産を特に地元の人たちに再確認してほしい」と意義を語る。
 B6判、253ページ。3000部を作った。1260円で、市内の書店で販売する。松江商工会議所Tel0852(32)0501。



【2007年3月12日(月) 女性文化賞2人決まる 笠岡愛の銀行主催】

 笠岡市の奉仕団体「笠岡愛の善意銀行」が主催する第20回女性文化賞に、吉備国際大講師で日本画家の瀬納匡美さん(67)=笠岡市西大島=と、井原市史編さん担当研究員で雪舟研究家の大島千鶴さん(44)=井原市井原町=が選ばれた。10日、笠岡市十一番町のサンライフ笠岡で贈呈式があった。
 瀬納さんは50歳代で日本画を学び始めた。倉敷芸術科学大芸術学部へ入学し、大学院修士、博士課程を通じて制作活動を続け、2005年、日本美術院展に初入選した。自然と動物の融和をテーマにした作品を描いている。
 大島さんは、1990年に芳井歴史民俗資料館の学芸員となり、岡山県芳井町(井原市)で亡くなったとされる雪舟の研究を重ねている。「雪舟を語る会」も主宰し、地域おこしを進めてきた。雪舟と芳井との関係の研究論文を発表した。
 贈呈式には会員ら約50人が出席。三好孝一会長が賞状などを手渡した。瀬納さんは「これを機に動物ばかりでなく、人間も描きたい」、大島さんは「郷土の歴史をさらに掘り起こし、市民に伝えていく」と、抱負を語った。
 同賞は県西部で文化活動を続ける女性を対象に85年創設。受賞者は38人となった。



【2007年3月10日(土) 雲南ブランド 売り込め 三刀屋でフォーラム】

 雲南市独自のブランドを創出し、まちおこしにつなげようと、国が行政と民間に連携を呼び掛ける勉強会「地域ブランドフォーラムin雲南」が9日、同市三刀屋町であった。全国で地域特産品の商品化を手がけた専門家らのアドバイスに、企業や農家、行政関係者ら85人が聞き入った。
 広島市の中小企業診断士藤岡芳郎氏は、過疎地の高知県馬路村が特産品のユズをポン酢しょうゆに商品化し人気を呼んでいることを例に挙げた。「都会の人に頑張る村を助けてあげたいという気持ちにさせたことに加え、村に原動力となる人的資源があったことがブレークの理由」と指摘。ブランド化には、対象エリアや地域の名称、魅力を明確にすることが重要とした。
 続くJA雲南の加藤博樹代表理事常務ら3人による討論会では、地域の資源に感動できる外部の人間の力を使う▽マスコミを活用する▽商品に機能性や付加価値をつける―などとブランド構築に向けた戦略を参加者にアドバイス。加藤常務は「島根は認知度が低い。積極的に現場へ出向き人間関係を構築しよう」と呼び掛けた。
 中小企業基盤整備機構の主催で、初めてとなる県内の開催は昨年9月に地域ブランド化計画に着手した雲南市を選んだ。市側も新年度は地元を舞台にした映画の公開に合わせ全国に地元をPRする。



【2007年3月10日(土) 最終処分場の使用延長 笠岡市方針】

 笠岡市の高木直矢市長は9日、2008年3月に埋め立て期限が来る県西部衛生施設組合の一般廃棄物最終処分場「見崎山埋め立て処分地」(同市神島)について、容量に余裕があるため延命を図り、引き続き不燃ごみなどを搬入する方針を明らかにした。地元には5年間の期限延長を要請している。
 市議会一般質問で答えた。高木市長が管理者の同施設組合は井笠地域3市2町のごみ処理などを担っている。地元が了解すれば、懸案だった最終処分場が当面確保されることになる。
 ごみ処理の将来像に関する質問に高木市長は「(見崎山処分地は)あと数年、入れられる施設なので地元と協議している」と答え、新しい処分場を建設せず、現処分場への継続搬入方針を示した。満杯後は民間処分場に投入、19年をめどに残灰がほとんど出ないガス化溶融炉に移行するスケジュールも提示した。
 見崎山処分地は総面積7.4ヘクタール、容積約20万m3で1978年に稼働。近年は焼却残灰や再資源化困難な不燃物、上水汚泥を年間約4500トン受け入れ、現在約85%が埋まっている。
 当初計画では98年3月までの20年間で満杯になる予定だったが、分別や破砕などのごみ減量化で「寿命」が延びた。施設組合は97年に地元住民組織「神島協議会」と10年間の使用延長協定を結んでおり、今回は再々延長となる。住民側は当初、延長を拒否していたが、今年に入って受け入れを検討し、条件面などを調整している。
 施設組合はこの間、2003年の廃棄物処理法改正で設けられた産業廃棄物処分場への持ち込み特例の適用も検討したが、県などと調整がつかず、断念した。



【2007年3月9日(金) 笠岡バイパスに道の駅 干拓地内を観光拠点へ】

 笠岡市の高木直矢市長は8日の市議会一般質問で、2007年度に側道などの暫定使用が始まる国道2号笠岡バイパス沿いに、「道の駅」を整備したい考えを明らかにした。場所は笠岡湾干拓地内を想定している。実現すれば中国地方の国道2号沿いでは初の道の駅になる。
 同干拓地などの将来施策に関する質問に、高木市長は「バイパスが仮開通するので道の駅整備を検討している」と述べ、観光拠点としてプランを練る方針を示した。建設時期には触れなかった。
 市はバイパスを地域の活性化に結びつけようと検討。道の駅が「笠岡ブランド」の農産物や魚介類加工品の生産販売拠点になる可能性があると判断した。
 道の駅については昨年夏、笠岡商工会議所青年部が「道の駅『拓海(たくみ)の大地』基本構想案」をまとめた。バイパスが大きくカーブする干拓地南部に駐車場170台、観光農園付きの施設を造る案で、市は同案を基に、国土交通省岡山国道事務所や住民団体、生産者らを交えた建設検討会議を設け、早期実現の可能性を探る方針だ。
 笠岡バイパスは総延長7.6キロ。笠岡湾干拓地を横断し、同市の西大島新田と茂平地区を結ぶ。国交省が1998年度に着工し、計画では07年度中に既存の県道、市道も通る形で側道部の暫定使用が始まる。全面開通時期は未定。
 道の駅は、ドライブ客のための休憩や地域情報の発信機能などを兼ね備えた施設。市などが設置し、中国地方には75カ所ある。付属施設を運営する第3セクターなどが赤字に悩む例もある。



【2007年3月9日(金) 市民向けに模擬カジノ 益田で来月15日】

 萩・石見空港(益田市内田町)の利用促進へ、レジャー施設としてのカジノ(賭博場)誘致を検討している益田商工会議所(島田憲郷会頭)は、一般市民向けの模擬カジノを4月15日に同商議所ビルで開き、健全性をアピールする。この日は近辺で益田まつりが催されるが、関連イベントとしては市に認められず、まつりとは別事業として同商議所が独自に企画した。
 計画ではビル1階に会場を設営し、ルーレットやブラックジャックを開催。多くの市民に雰囲気を知ってもらうため、入場は無料。プレー参加は18歳以上とするが、家族連れも入場や見学は可能とする。
 プレーでは、模擬札や模擬チップの引換券を無料で参加者へ渡して体験してもらう。勝負の結果にかかわらず、換金は一切しない。会場ではカジノの制度や合法化への動き、暴力団排除や青少年への悪影響防止など治安対策の厳しい規制を紹介したパネルも展示し、イメージアップを図る。
 同商議所は昨年10月、会員対象の講演会と模擬カジノを実施。今年2月には、幹部が那覇市内で開かれた日本カジノ創設サミットに参加し、国内各自治体の状況を視察。誘致に不可欠な住民合意形成へ市民に理解を広げるため、地元で市民向けの模擬カジノ開催を検討した。
 当初は、今年で50回目を迎える益田まつりの目玉イベントとして、主催する市民会議を構成する市に提案。市から「カジノに対する市内部の協議が不十分で、コンセンサスができていない」とまつりの一環とする案を反対されたため、同商議所が独自イベントとして開く方針とした。
 現在、プレー台レンタル費やディーラー派遣料などの事業費確保を進めている。島田会頭は「賭博が目的ではなく、空港の活性化へつなげる一つの手段。安全、安心で楽しいという面を知っていただきたい」と理解を求めている。