建設や土木工事に欠かせない建設資材であるセメント業界でも「脱・デフレ」が進むのか――。セメント協会(東京・中央)は27日、5月の国内セメント販売量が前年同月比6.2%増の362万トンだったと発表した。前年同月を上回るのは5カ月連続。東北で東日本大震災の復旧需要が伸びているほか、都心の再開発が多い関東で販売が増えている。需要好調を追い風にセメント値上げが実現できるのか。生コンクリート会社やゼネコン(総合建設会社)との価格交渉が本格化する。
「セメント需要は好調だ。需給も引き締まっている」。記者会見したセメント協会の気仙伊作流通委員長(宇部三菱セメント副社長)は話す。
セメントを取り巻く風景は東日本大震災で一変した。2000年以降、景気低迷による民間の建設投資が縮小。民主党政権時代の「コンクリートから人へ」のスローガンのもと、国や地方公共団体の公共工事も削減された。国内販売量は10年度に4104万トンとピークの1990年度に比べ半分以下に落ち込んでいた。一時は4000万トンを割り込むとみられていたが、12年度に前年度比4.4%増の4375万トンまで盛り返した。復旧事業に加え、老朽化した道路や橋の補修工事など公共事業の上積みもあり、13年度も勢いを持続している。大手各社の工場稼働率は90%を超えフル生産状態だ。だが、セメント価格は1トン1万600円で11年8月以降、横ばいが続く。原料や燃料費の価格上昇分を販売価格に転嫁できないままだ。
出荷が増えているのに、なぜ値上げできないのか。じつはセメント各社の値上げ時期にズレがあるのだ。値上げ時期は太平洋セメントと住友大阪セメントが今年4月、宇部三菱セメントが7月を目指していた。あるセメント会社の営業担当者が特約店に足を運んでも「おたく以外はまだ上がっていないよ」とつれない態度で追い返されたという。
宇部三菱セメント、太平洋セメント、関根福一、住友大阪セメント、総合建設会社、脱デフレ
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