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民主再建、妙手なし 党内「参院選、まともに戦えぬ」の声も

(06/25 10:16、06/25 10:19 更新)

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 東京都議選で都議会第4党に沈んだ民主党の動揺が収まりそうにない。党執行部は24日、海江田万里代表の続投を確認したが、党内には「まともに参院選を戦えない」との執行部批判もくすぶる。一方、都議選で公認候補59人の全員当選を果たした自民党は参院選で議席の取りこぼしのないよう慢心を戒めている。

 「厳しい結果は厳粛に受け止める。心を一つにして参院選勝利に向けて頑張らないといけない」。海江田氏は24日の記者会見で険しい表情でこう述べた。

 これに先立つ民主党役員会では、参院選では現体制で従来通り社会保障制度改革の充実などを前面に訴える方針を確認。党執行部の責任問題を参院選後まで封印した形だ。しかし、前原誠司元外相に近い中堅議員は「今、党内がごたごたすれば参院選に響く。誰も海江田さんに鈴を付けようとしないだけ」と批判する。

 党内には「都議選で第2党に踏みとどまれば参院選で善戦できる」(閣僚経験者)と楽観視する見方もあったが、結果は共産党を下回る15議席。

 若手参院議員は、憲法改正や環太平洋連携協定(TPP)を例に挙げ「賛否があいまいだから、反自民票が共産に流れる」と不満をぶつけた。

 参院選の投開票日まで既に1カ月を切る中、事態打開の妙案はない。ある党幹部は「ここから党を立て直せるとしたら、株価下落くらいしかない」と自嘲気味に話した。

 一方、自民党の石破茂幹事長は24日の記者会見で、都議選の低投票率を踏まえ「積極的な意思を持って自民党に投票していただく、そういう票を増やすよう、さらに努力しなければならない」と強調した。

 自民党は党派別の得票率が36・04%と前回都議選から約10ポイント増えたが、投票率は43・5%と過去2番目の低さ。都議選では安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」を前面に掲げたが、参院選では「TPPなど地方の利害が衝突する政策も多い。都市部のようにはいかない」(党幹部)との懸念もある。

 静岡県知事選など一部地方選では取りこぼしも目立っており、石破氏は各候補に知名度向上に努めるよう文書で指示するなど、引き締めに躍起だ。(東京報道 平畑功一、森貴子)

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