名古屋グランパスは26日、トヨタスポーツセンターで常葉大浜松キャンパスサッカー部(前浜松大)と練習試合を行った。主力組が出場した前半はMF藤本淳吾(29)らの活躍で5得点を挙げ、ドラガン・ストイコビッチ監督(48)は新たに取り組む戦術への確かな手応えを強調。一方で大学生相手に3失点した守備面での課題も噴出した。
梅雨の雨に打たれながらとなった中断期間3度目の練習試合で、ようやくグランパスの新戦術がはまった。前半43分、左サイドから阿部、小川、田口、田中輝、田中隼とすべてダイレクトにつながり、最後は右クロスを藤本が頭で合わせた。「お互いの距離が近いからできるゴール」と田口が解説したように、押し上げられたサイドから前線に人数をかけて崩しきったこの得点。繰り返してきたパターン練習が実った瞬間だった。
飛騨古川キャンプ中の2度の練習試合は低調な内容だった主力組が、前半45分間で5得点。相手が大学生とはいえ、ストイコビッチ監督は「すごくいい印象だ。攻撃では点も決まったし、いい動き、いい連係を見られた。成功だ」と内容への確かな手応えを強調した。
ただ、守備では課題が出た。前半16分の失点シーンは相手のカウンターに対して人数が足りていたにもかかわらず、誰が寄せるのかがはっきりしないままドリブルシュートを許した。指揮官もこの点に着目し、「守備の集中力はもっとほしい。細かいところを突き詰めないといけないし、それはスペースを与えないことに行き着く。特に中盤の選手に言いたい」と指摘した。
とはいえ、「何より(元清水の)沢登に会えたことがうれしい」と、現役時代にしのぎを削った相手の監督との再会を喜ぶ余裕も見せたのは、収穫が大きかったことを物語る。中断期間の総仕上げとなる29日の阪南大戦を経て、7月6日のリーグ再開へ。課題を修正し、完成度を高め続ける。 (宮崎厚志)
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