大原加代子さんがデザインした茗荷舎の外観=高山市花里町で
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高山市花里町の自然食レストラン茗荷舎(みょうがや)が九月に閉店する。飛騨地域で無農薬・無添加の野菜などを使った自然食を提供する飲食店の先駆けとして一九九三年に開店。以来二十年間、市内外から人が集まり、食を通しての交流の場となっていた。経営する大原加代子さん(69)は「自分を丸出しにしてやってきた。お店に来た人も、それを受け入れてその人なりのスタイルで付き合ってくれた」と感謝を表す。
大原さんは、店を始める前、市内の障害者支援施設に二十年勤めた。「自分を丸出しにしている子たちと一緒にいると気持ちが安らぐ」ことに気付き、飾らずに自分の気持ちや考えを共有できる場を作ろうと店を開いた。
店では、地元の旬の食材を使った料理を提供してきた。店内には、地元の若手作家らの作品も並び、物を作る人たちの交流の場にもなっていた。大原さんは「作品がお店の雰囲気をつくってくれている。一緒にこの店をやってくれているという感じ」と話す。イベントや他のお店のポスターなども壁一面に貼り付けられている。
大原さんが20年続けたお店には地元の若手作家らの作品も並ぶ=高山市花里町で
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店の運営費が底を突いたため店を閉じることを決めたが、「やり切った」と笑顔を見せる。今後は自宅で裁縫を教えることなども考えているという。
九月二十二、二十三日には、閉店に合わせて静岡県の陶芸家こばやしゆうさんの器展が開かれる。
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