6月26日の米国マーケットサマリー:株続伸、GDPで緩和継続観測
6月26日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3006 1.3077 ドル/円 97.80 97.81 ユーロ/円 127.20 127.93 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 14,909.99 +149.68 +1.0% S&P500種 1,603.26 +15.23 +1.0% ナスダック総合指数 3,376.22 +28.34 +.8% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .38% -.02 米国債10年物 2.54% -.07 米国債30年物 3.58% -.04 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,229.80 -45.30 -3.55% 原油先物 (ドル/バレル) 95.39 +.07 +.07%◎NY外国為替市場
26日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下落、約1カ月ぶりに1.30ドルを下回った。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がECBの金融政策は「予見可能な将来において緩和的にとどまる」と述べたことに反応し、ユーロ建て資産の投資妙味が後退した。
バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)が19日に債券購入を年内に縮小する可能性があることを示して以来、ユーロは対ドルで2.3%下落した。オーストラリア・ドルは上昇。オーストラリアの労働党・党首選挙でギラード首相がラッド前首相に敗れた。
ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は、「ドラギ総裁の発言を材料にこの日のユーロは下げた」と述べ、「金融当局の方向性を市場がどのように受け止めるのか、それが相場を左右する。米金融当局は緩和策のペースを減速させる方向にあるが、欧州は必要に応じて、一段と緩和する構えだ」と続けた。
ニューヨーク時間午後1時現在、ユーロは対ドルで0.5%安の1ユーロ=1.3004ドル。一時は1.2985ドルと、6月3日以来の安値まで下げた。ユーロは対円で0.6%下げて1ユーロ=127円11銭。円は対ドルで0.1%高の1ドル=97円76銭。
◎米国株式市場米株式相場は続伸。中国の資金逼迫が緩和したことに加え、米国内総生産(GDP)の下方修正で金融緩和が維持されるとの見方が強まり、買いが入った。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比1%高の1603.26で終了した。24日に9週間ぶりの安値を付けた後、ここ2日間では1.9%戻している。ダウ工業株30種平均はこの日、149.83ドル(1%)上げて14910.14ドルで終えた。
ボストン・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、ジェームズ・ガウル氏は電話インタビューで、「ここ数日、比較的大きな売りが見られたため、反発が起こっている」と指摘。「弱い経済指標は好材料とみなされている可能性がある。緩和縮小プロセスの減速につながるか、景気が予想よりも弱ければ緩和規模を縮小しないことも考えられるためだ」と語った。
◎米国債市場米国債は上昇。10年債利回りはほぼ2週間ぶりの大幅低下となった。1-3月(第1四半期)の実質国内総生産(GDP)確定値が改定値から下方修正されたことで、金融当局が債券購入縮小に近づきつつあるとの懸念が和らいだ。
10年債 は8営業日ぶりの上昇。前日までの7営業日続落は、2012年3月以来で最長の連続安。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は先週、景気が予想通りに回復した場合、年内にも量的緩和を縮小させる可能性があると述べた。米財務省がこの日実施した5年債入札では需要がほぼ4年ぶり低水準。この入札後も米国債相場は堅調を維持した。
ウェルズ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキー)で債券運用に携わるジェイ・ミュラー氏は「依然として低成長の環境にある」とし、「相場は急速に下げていたため、やや戻りが見られる。金融当局の実際の行動が近づくまでは現在の水準付近で推移するだろう。当局が行動を起こすかどうかは景気の動向次第だ」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時57分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.54%。一時は10bp低下し2.51%を付けた。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は19/32上げて935/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は3日続落。米経済指標の改善を背景に、金融当局による緩和策縮小が正当化されるとの見方が強まった。金直物相場は2年10カ月ぶりの安値となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は先週、景気改善が続くなら資産購入プログラムを縮小する可能性があるとの考えを示した。前日発表された米製造業耐久財受注は予想を上回る伸びとなったほか、新築住宅販売は約5年ぶりの水準に回復。消費者信頼感指数も上昇した。
TDセキュリティーズの商品戦略責任者、バート・メレク氏は電話インタビューで「米緩和策縮小に対する懸念が続いているため、大きく売られている」と指摘。「相場が反発するには、現物買いや中央銀行による需要が増えている証拠が必要だ。誰も落下中のナイフをつかみたくはない」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比3.6%安の1オンス=1229.80ドルで終了した。直物は一時4.4%安の1222ドルと、2010年8月24日以来の安値をつけた。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は3日続伸。株式市場につれ高となった。米経済成長率が予想を下回ったことから、金融当局が資産購入を継続するとの見方が高まった。
第1四半期の米経済成長率が改定値から下方修正されたことを受け、原油先物は値を戻し、株式市場ではS&P500種 株価指数が上昇した。一時は在庫統計を嫌気して1.7%安まで売り込まれていた。米エネルギー情報局(EIA)によると、先週の原油とガソリン、ディーゼル油の在庫はいずれも増加。製油所の稼働率上昇が背景にある。
トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「最新の在庫統計を受けた最初の反応は売りだった」と指摘。「間もなく市場の関心は株式相場に移った。米金融当局の資産購入が続く限り、市場はさほど大きくは下げない」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比18セント(0.19%)高の1バレル=95.50ドルで終了。終値ベースでは19日以来の高値。
更新日時: 2013/06/27 05:31 JST