Updated: Tokyo  2013/06/27 06:48  |  New York  2013/06/26 17:48  |  London  2013/06/26 22:48
 

米国株:続伸、GDP下方修正で緩和継続の観測

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  6月26日(ブルームバーグ):米株式相場は続伸。中国の資金逼迫が緩和したことに加え、米国内総生産(GDP)の下方修正で金融緩和が維持されるとの見方が強まり、買いが入った。

シティバンクとバンク・オブ・アメリカ(BOA)など金融株が上昇。ダウ工業株30種平均の構成銘柄では、ボーイングとマイクロソフトの上げが目立った。一方、金・銀相場が2年10カ月ぶりの安値に下落する中、バリック・ゴールドやニューモント・マイニングを中心に貴金属株が下げた。

S&P500種 株価指数は前日比1%高の1603.26で終了した。24日に9週間ぶりの安値を付けた後、ここ2日間では1.9%戻している。ダウ工業株30種平均はこの日、149.83ドル(1%)上げて14910.14ドルで終えた。

ボストン・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、ジェームズ・ガウル氏は電話インタビューで、「ここ数日、比較的大きな売りが見られたため、反発が起こっている」と指摘。「弱い経済指標は好材料とみなされている可能性がある。緩和縮小プロセスの減速につながるか、景気が予想よりも弱ければ緩和規模を縮小しないことも考えられるためだ」と語った。  

第1四半期(1-3月)の実質GDP確定値は前期比1.8%増と、改定値(2.4%増)から下方修正された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は2.4%増だった。個人消費は2.6%増と改定値の3.4%増から下方修正された。

ラッカー総裁

リッチモンド連銀のラッカー総裁は「この先数年間」は米国の成長が「低調」に推移するとの見通しを述べ、朝方発表された第1四半期(1-3月)の国内総生産(GDP)が下方修正されたことは想定内だと続けた。

同総裁はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「景気を見ればこれが今の米国の実力だということが分かる」と指摘、「今後の成長ペースにもがっかりさせられることになるだろう」と予想した。

この日はアジアから欧州にかけても株価が上昇した。中国の短期金融市場の指標金利である1年物金利スワップレートが4営業日連続で低下し、レポ金利が低下したことが背景にある。人民銀は25日にウェブサイトに掲載した声明で、短期市場の金利を安定させるため複数の金融機関に流動性を供給したことを明らかにする一方、市場の安定確保のための手段として、短期流動性オペや資金供給ファシリティーを活用する方針を示した。

ナイト・キャピタル・ヨーロッパ(ロンドン)のストラテジスト、イオアン・スミス氏は「人民銀は流動性に関する現在の姿勢に満足しているとともに、崩壊を回避する用意があることを再び表明したが、銀行からの需要を満たすのには敏感ではない」と指摘した。

全10業種が上昇

S&P500種のセクター 別では全10業種が上昇。ヘルスケア株が最も上げた。ユナイテッドヘルスケア・グループが1.7%高、ジョンソン・エンド・ジョンソンが1.9%上昇した。マイクロソフトは2%、ボーイングは2.1%それぞれ上げた。

金融株指数は1%高。シティは1.3%、BOAは0.7%それぞれ上昇した。

一方、バリック・ゴールドは8.3%安の14.78ドルと、10年ぶりの安値。ニューモントは5.9%下げた。素材株指数は10セクター中で最も上げが小さい。

原題:U.S. Stocks Rise as GDP Fuels Stimulus Bets, China CrunchEases(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Nikolaj Gammeltoft ngammeltoft@bloomberg.net;ニューヨーク Katie Brennan kbrennan23@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net

更新日時: 2013/06/27 06:36 JST

 
 
 
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