アジア・太平洋株式サマリー:香港上昇、上海総合と印株は下落
6月26日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式相場 は上昇。ハンセン中国企業株(H株)指数が約半年ぶりの大幅高となった。バリュエーション(株価評価)が2008年の金融危機以来の低水準となったほか、流動性逼迫(ひっぱく)を受けて、中国人民銀行(中央銀行)が短期金融市場の安定を確保すると表明したことが寄与した。
世界最大の銀行である中国工商銀行 (1398 HK)は6.8%高。売り上げの半分を米国で稼ぐソファメーカーの敏華(1999 HK)は3%高。米経済指標が予想を上回ったことが好感された。
H株指数 は前日比293.36ポイント(3.3%)高の9164.64で終了。1月2日以来の大幅な値上がりとなった。ハンセン指数 は前日比482.83ポイント(2.4%)高の20338.55。構成50銘柄中、49銘柄が値上がりした。
岡三証券の香港在勤マーケットストラテジスト、忍足真理氏は、人民銀からのメッセージが若干の安心感につながったと分析。バリュエーションは割安だとも述べた。
【中国株式市況】
中国株式市場では、上海総合指数が4年ぶり安値となった。中国人民銀行(中央銀行)は短期金融市場を安定化させる方針を表明したものの、資金調達コスト上昇で経済成長が抑制されるとの懸念は和らいでいない。
中国民生銀行(600016 CH)や中国工商銀行 (601398 CH)などの金融株が安い。中国2位の携帯電話サービス会社の経営権を握る中国聯合通信(600050 CH)は2.2%下落。石炭生産の中国神華能源(601088CH)も値下がりし、2008年10月以来の安値を付けた。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前日比8.01ポイント(0.4%)安の1951.50と、09年1月以来の安値で終了。これで6営業日続落。上海、深圳両証取のA株に連動しているCSI300指数は前日比0.1%高の2168.30。
大衆保険の呉侃ファンドマネジャー(上海在勤)は「投資家の間では、依然として流動性逼迫(ひっぱく)が実体経済にもたらす影響をめぐる懸念がくすぶっている」として、当局による「資金供給は単に市場のセンチメントを和らげたにすぎない」と指摘した。
【インド株式市況】
インド株式相場は下落。通貨ルピーが対ドルで最安値を更新したことで、インド市場からの資金逃避への懸念が強まった。
ボンベイ証券取引所(BSE)のセンセックス 30種指数は前日比77.03ポイント(0.4%)安の18552.12で終了。携帯電話サービスのブハルティ・エアテルが6%安と1年近くで最大の下落となった。タタ・モーターズは7営業日続落。
ルピーは対ドルで1ドル=60ルピーの水準を突破し、過去最安値を更新した。海外勢のインド株投資は今月、2012年5月以来で初めて売り越しとなる見込み。
【フィリピン株式市況】
フィリピン株式相場は大幅高となった。バリュエーション(株価評価)が7カ月ぶりの低水準となったことが買いを誘い、フィリピン総合指数は約4年半ぶりの大きな上げを記録した。
フィリピン総合指数 は前日比329.88ポイント(5.7%)高の6118.94で引け、2008年11月25日以来で最大の上昇となった。同指数は前日、5月15日に付けた終値ベースの最高値(7392.20)から20%を超える下げとなり弱気相場入りしていた。
【オーストラリア株式市況】
ASX200指数は前日比75.76ポイント(1.6%)高の4731.72。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前日比2.82ポイント(0.2%)高の1783.45。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比121.57ポイント(1.6%)高の7784.80。
更新日時: 2013/06/26 22:23 JST