読者の反響 消えない薬剤後遺症

 タカオさんのケースは、医療保護入院制度の危うさもあぶり出した。新年に詳しく検証したい。

 今年最後の更新となる今回は、日々寄せられる多くの反響メールの中から、一部を紹介する。

◇         ◇

 精神科で長く治療を受けた女性は、次のようなメールを寄せた。


 10数年前の20代のころから、クリニックや精神科病院で多剤処方を受け、医師の助言ではなく、年数をかけて自分で薬を切りました。かなり離脱作用もひどかったです。

 完全に薬を切ってしばらくたちますが、今でも後遺症に悩まされています。もとの体調には程遠いです。

 薬で体重は30キロ増加したまま。 呼吸器や消化器は衰えたままです。しかし、病院の検査では異常が出ません。

 病院で知り合った何人かが、20代で亡くなりました。

 どこまで回復できるかわかりませんが、今は主に鍼治療で体調を整えています。

 先生方はあまり副作用や後遺症に目を向ける余裕は無いようです。一生懸命やっている医療関係者も多いので、批判はしたくないです。ただ、治せる医療でないので、変わっていかなければいけないと思います。これ以上、薬による被害者が増えないことを祈ります。


 精神科の薬物療法で、改善する患者は少なくない。自分の判断で薬を突然やめると、深刻な離脱症状が出る場合もあるので注意が必要だ。だが、不適切で安易な投薬が横行し、患者を本来の病気以上に苦しめているケースが多いことも事実だ。寄せられるメールの大半に、薬にまつわる患者の悲鳴がつづられている。


 うつ病を長く患う男性は、病気の症状ではなく、終わりの見えない治療についての不安を明かした。


 精神科を受診した当初は、確かに精神的に不安定で、うつであったと自分でも思います。ですが、今では症状がずいぶんと落着き、薬も処方内容が変わり、減薬となりました。

 まだ通院し、投薬を受けていますが、いつまで通院が必要なのか不安になります。友人の内科医に薬を見せたところ「大した薬は飲んでないね。(精神科の)先生も(あなたを)解放してあげればいいのに」と言っていました。

 服薬を自分で勝手に止めるのはダメだと思いますが、通院が何時まで続くのか、出口が見えず不安になります。


 抗うつ薬の問題では、安易な投与と共に、やめるタイミングを見極められない医師の技量不足が目立つ。

 反響メールでは、子どもへの向精神薬投与の具体例を示し、不信感や危機感、怒りをつづった内容も多い。これらも取材を進め、近日報告したい。


 統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。このコラムでは、紙面で取り上げ切れなかった話題により深く切り込み、精神医療の改善の道を探る。

 「精神医療ルネサンス」は、医療情報部の佐藤光展記者が担当しています。
 ご意見・情報は こちら( t-yomidr2@yomiuri.com )へ。 お寄せいただいたメールは、記事で紹介させていただく場合があります。

2011年12月28日 読売新聞)

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