6・25戦争(朝鮮戦争)の開戦から63年に当たる25日、大統領府(青瓦台)や国務調整室など韓国政府機関・政党5機関、一部メディアなど計16機関がサイバー攻撃を受け、ウェブサイトが書き換えられたり、サイトに接続できなくなったりするという障害が発生した。大統領府サイトがハッキングされたのは2009年の北朝鮮によるDDoS攻撃(分散型サービス妨害)以来、4年目のこととなる。
大統領府と国務調整室のサイトは同日午前9時半ごろ、何者かによる攻撃を受け、トップ画面が書き換えられた。大統領府サイトには「偉大な金正恩(キム・ジョンウン)首領」などのメッセージが画面上段に赤い文字で表示され、午前10時からは「統一大統領金正恩将軍様万歳! われわれの要求条件が実現するまで攻撃は続けられる」といった文章が10分間表示された。与党セヌリ党の党員や、大統領府サイトの会員、軍人の個人情報を見ることができるリンクも表示されたが、個人情報が本物かどうかは分かっていない。大統領府サイトはハッキング攻撃を受けた後、6時間にわたり緊急復旧作業を行い、午後3時半ごろに正常化した。
一方、同日午後には国家情報院のサイトも一時接続できなくなったが、ハッキングによるものではないという。同院の関係者は「サイトへのアクセスが集中して一時的に問題が生じただけ」と説明している。
政府機関だけでなく、政党やメディアなどもハッキング攻撃を受けた。セヌリ党ではソウル、釜山、仁川、京畿など八つの市・道党サイトがハッキングされ、党員名簿が流出したという。これらサイトは同日午前から攻撃を受け、接続できなくなった。また、一部地域の新聞社では、ハッキング攻撃により午前から記事作成・送信システムが使用できなくなった。
政府は今回の政府機関などに対する攻撃について、「アノニマス・コリア」を名乗るハッカー集団が北朝鮮サイトを攻撃したことに対する北朝鮮の反撃と推定している。アノニマス・コリアは今月24日「北朝鮮が運営する朝鮮中央通信、救国戦線など46サイトへの攻撃を断行する予定だ」と宣言。実際に、同グループは25日午前、朝鮮労働党機関紙の労働新聞、朝鮮中央通信、対韓国宣伝サイト「わが民族同士」、高麗航空など北朝鮮のサイトを攻撃し、まひさせた。