希望新聞:東日本大震災 まだ必要なボランティア 宮城・南三陸で体験「できること多い」

毎日新聞 2013年06月21日 東京朝刊

 東日本大震災から2年3カ月。直後は大勢のボランティアが駆けつけた被災地は今、どうなっているのだろう。6月上旬、宮城県南三陸町を訪れ、ボランティアに参加した。

 午前8時半、集合場所の町災害ボランティアセンター(電話0226・46・4088)に集まったのは約100人。数班に分かれ、私は、震災間もない時期からボランティアに取り組んでいる三菱商事グループの班に同行し、海沿いの歌津(うたつ)地区で、地中のガラス片やコンクリートなど危険物の除去と分別をする作業をした。同地区は、津波で116人の死者・行方不明者が出た。

 「夏祭り会場と駐車場になります。つまずいたり、転んだ子どもがけがをしたりしないよう整えてください」。センターのスタッフが呼びかけた。重機で整地され平らに見えた土地も、クワで掘り始めると、割れた茶わんやガラス片、瓦、鉄クギが次々出てきた。

 「手間掛けますね」。千葉教行さん(69)が声をかけてきた。この場所にあった2階建ての店舗兼住宅で約30年間、衣料店を営んでいたという。「あの日は90歳の母、妻と3人で車で山手に。住宅が流されるのを見て更に高台へ逃げました」。現在は約50メートル離れた「伊里前(いさとまえ)福幸(ふっこう)商店街」に仮設店舗を開く。「震災後、多くのボランティアが来てくれて励まされます」

 作業は、午後3時に終了。初参加の高橋亜実さん(24)=東京都=は「想像以上の光景にショックを受けたが、必要とされている実感も得た。ぜひまた来たい」と話した。

 センターでは、2011年8月に最多の8304人が活動をしたが、今年5月は2778人に。猪又隆弘事務局長は「活動分野は泥のかき出しや整地などの力仕事から、高齢者の話し相手や幼児の遊び相手、子どもの宿題支援など多岐に広がっている」と言う。

 「足手まといになるのでは」という迷いや不安を抱え参加したボランティア。できることはまだたくさんあると感じた。「また来ます」。作業後、私も含め参加者たちからは言葉が自然と出た。【藤田祐子】

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