【第89回】 2013年6月26日
――ネイティブは普通の会話でも仮定法をたくさん使いますね。
普通ですね。たとえば、映画「ローマの休日」で、ダンスパーティをやるから来ないかと言われて、ヘプバーンが断るときに“I wish I could.” (行けたらいいのに)と言いますね。「行けません」とは言わずに、やさしく「I wish I could.」という言い方がいいですね。
――ついでに言うと、よく日本人が勘違いしているのは、英語はストレートな言語であるということです。でも実際は教養あるアメリカ人は婉曲的にものを言うことが多いと思いますが。
“I wonder if by any chance I could possibly speak to…”と、非常に丁寧に話す人もいます。そういう丁寧な英語表現が使えることはもちろん重要です。
ほとんどの日本人にとっては、日本に住んでいる限り、英語は特に要りませんが、それでも、事実上、必修科目となっています。外国語は、本当は楽器と同じように、本人がそれを “ものにする“ と決心し、自分から進んで練習して初めて有意義な上達をするものです。幸い、大きな本屋に行けばわかるように、日本は “英語教材天国” なので、やろうと思えば、できるはずです。