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【第89回】 2013年6月26日
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大野和基

“I like dog.”と言ったら「えっ、犬の肉が好き!?」
ネイティブに通じない、間違いだらけのニッポン英語
――『実践 日本人の英語』著者 マーク・ピーターセン氏に聞く

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――私はかつてイギリスの諜報部MI6にいたスパイにインタビューしたことがありますが、彼は英語が母語で他に数ヵ国語を母語とまったく変わらないレベルで話せます。訛りもありません。そんな彼が言っていたのは、英語が一番難しいということです。

 そうでしょうね。語彙の数だけでも圧倒的に多い。ラテン系やゲルマン系などあちこちから語彙を取り入れ、さらに綴りと発音が一致しない。合理的でない。文法もドイツ語系かもしれないが、そうでない部分も多い。

――村上春樹の作品を英訳しているジェイ・ルービンも“English is tough.”と嘆いていましたね。日本人はこれほど難しい英語を、難しいと思っていないのではないでしょうか。簡単だと勘違いしていると思います。

 そうですね。英語は本当に難しいですね。永遠の学習になってしまいますが、面白さも十二分にあると思います。

――最近日本人の英語力が落ちてきたと思われる、と本に書かれていますね。

 簡単な会話が重要視されすぎて、読み書きがいいかげんになっていると思います。書く英語はしっかりしないと、やはり損すると思います。また、特に大事な英文の場合、できることなら、書いたあとは、ちゃんと添削してもらうことが理想的です。

 昔と比べると学生の英語の発音と聴き取りはよくなっていますが、読めなくなっているというのが、最近の現象です。読めなくなっているのは英語学習にとってかなりマイナスの影響があります。聴き取りがよくなり、発音がよくなっているのは、iPodやDVDがありますから、そのおかげだと思います。

――読めないということは、きちんとした英語が書けないということで、さらにきちんとした英語が話せないということですね。

 もちろんそうです。

――教養あるアメリカ人にインタビューすると、書き言葉で話しますね。録音を文字に起こしたものを読むと、書き言葉としてそのまま通用する英語になっているのがわかります。

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