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ローマ法王フランシスコは、「神はわたくしたちを救ってくださる。神を信じていない者も含めてすべての人を。」と発言して、世界中を驚かせた。無神論は、世界観の説明に神の存在、意思の介在などが存在しない、または不要と主張する考え方である。

 無神論者は世界のどれくらいいるのだろう?各国の世論調査団体が加盟するギャラップインターナショナル(WIN/Gallup International)が行った最近の世界40ヶ国5万人以上の人々に対して行った調査によると、自分が無神論者だと思っている人は世界人口の13%という結果が出た。
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 以下はワシントンポスト誌による考察である。

 もっとも無神論者が多かったのは中国で、驚くことに47%にもなる。というのも、中国には信仰について複雑な歴史がある。この国は組織化された宗教というものに対して根深い懐疑心があり、これは長い間、当局にとって脅威だと思われてきた。

 19世紀、キリスト教に傾倒したカルト的な宗教団体によって国内で太平天国の乱が始まり、おびただしい数の市民が殺されて、ヨーロッパ列強に国の弱体が露呈されてしまった。その後、共産主義政府の公のイデオロギーは、新しいヨーロッパの宗教も、もともとあった中国の伝統的な宗教も両方ともあざ笑い、1967年から1977年の文化大革命の間に数え切れないくらいの寺院や遺物を破壊した。現在の中国の指導者たちは、中国の宗教の歴史が近代化を妨げているとする毛沢東の極端な思想を信じていないし、その歴史を再来させるつもりもないようだ。

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 31%が無神論者だという日本では、事情は少し複雑だ。キリスト教信者でもないのに多くの結婚式が教会で行なわれるといったことがごく普通に見られ、第二次大戦時に帝国主義が全盛を極めた後、それまでの日本人の信仰の習慣が戻ってくることは二度となかった。

 1920年から1940年代にかけての日本の帝国政府は、民族をベースにした天皇崇拝というナショナリズムと伝統的な神道を結びつけて極端な思想を展開した。当時のドイツのナショナリズムと同様、日本でも戦後、声高に信仰を叫ぶことをタブー視する風潮が広がっている。無理やり改宗させるようなことに警戒心を抱く傾向があり、エホバの証人などのカルト宗教にのめりこんだ家族を奪還しようとする動きもある。

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 もっとも驚くのは、サウジアラビアのデータかもしれない。なんとこの国でも無神論者だと自覚している人が5%もいる。確かに高い数字ではないが、神を信じないことは重罪だと見なされるイスラム国ではかなり危険なタブーといっていいだろう。サウジには無心論者たちのたくましい極秘社会があるのだ。ちなみにイラクやアフガニスタンでは、無神論者は1%以下。イラクやアフガニスタンのほかにも、宗教的な意識が強いのは、ガーナ、ナイジェリア、アルメニア、フィジーで、ほとんどの人が宗教を信じている。所得が低く学がないほど信仰心が高いのはどの国でも共通だ。

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 ヴァチカンからすぐ目と鼻の先のイタリアについては、カトリック教会は恐れることはほとんどない。この数十年でカトリックの洗礼式の数は徐々に減っているとはいえ、イタリア人の4分の3近くは神を信じている。その数は2005年以降、1%増え、世界中いたるところで見られる緩い信仰の傾向とは別の動きを見せている。

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via:A surprising map of where the world’s atheists live原文翻訳:konohazuku

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