＜マツダオールスターゲーム２０１３＞阪神の注目ルーキー・藤浪晋太郎投手（１９）がファン投票でまさかの“逆転落選”となった。中間発表では先発投手部門のトップをキープしていたものの、最終結果は広島・前田健、ヤクルト・小川に抜かれて３位。そんな中、虎首脳陣は４試合連続ＫＯの原因でもある「女房問題」を解決するためにも監督推薦などで球宴出場を果たすことを熱望している。

　遠征先の富山市民球場で遠投などで汗を流した藤浪は落選について「３位でも実力に見合ってないと思う。圏外の力しかない」と冷静に自己分析した。５月までに４勝をマークするなど好スタートを切ったものの、現在は４試合連続ＫＯと「プロの壁」に直面している。このことも最後の最後で票が伸びなかった原因のようだが、まだ監督推薦や選手間投票などで選出される可能性も残っている。

　虎コーチ陣は「球宴期間中にしっかりと休ませたいという気持ちもあるが、球宴に出た方が現状打破につながるかもしれないし、将来のためにもプラスになる」と夢舞台出場を強く望んでいる。その最大の理由はリーグを代表するベテラン女房の存在だ。

　あるコーチは「藤浪の調子が上がらない原因の一つは配球面の課題がある。これは藤浪というよりは捕手の問題。ずっとマスクをかぶっている藤井彰はどちらかというと無難に無難に、というリードをする。これが藤浪の良さを消している」と説明。

　投手出身のＯＢも「キャンプから不安に思っていたんだけど藤井彰は若い投手をどんどん引っ張って、魅力を引き出すというタイプではない」と指摘する。

　しかし、チーム内に他の女房候補がいるわけではない。そこで巨人・阿部、中日・谷繁といったベテラン捕手に注目。前出のコーチは「阿部や谷繁がどうやって藤浪を引っ張っていくのかを見たい。最大の武器でもある直球やスライダーを最大限に生かす配球をしてくれるんじゃないか」と熟練女房の妙技で１９歳右腕が活路を見いだすことを期待しているのだ。

　すでに阿部は捕手部門１位で出場が決定。谷繁も監督推薦などで選出される可能性は十分にある。あとは藤浪が出場できるかどうか。金の卵の将来に関わることだけに虎首脳陣は出場メンバーの最終決定を固唾をのんで見守っている。