日本経済新聞

6月26日(水曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
  • ヘルプ

コンテンツ一覧

エンタウオッチング

「『なんてったってアイドル』を歌うのは嫌でした」 小泉今日子 30年の軌跡
日経エンタテインメント!

(3/5ページ)
2012/4/2 7:00
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有

 常に新しい価値観を提示しながら、順風満帆に活動を展開しているように見える小泉だが、時には疲れを感じる瞬間もあるという。特に1990年代後半、彼女は、それまでの音楽中心の活動から一転、女優業、なかでも映画や舞台に活動の力点を置くようになっているが、そこには一連の音楽活動に対して思うところがあったのだとか。

画像の拡大

小泉 1990年代後半以降、音楽活動に使う時間を減らした理由のひとつに「アイドルとして、歌手として常に面白い企画を」って考えることに息切れしてしまったこともあるんです。「もっと面白いこと、もっと面白いこと!」という、ある意味での悪ノリが加速しすぎて、余裕がなくなっていたし、自分でもコントロールできなくなっちゃっていた部分もありました。

 そして、そんなころ『踊る大捜査線 THE MOVIE』(1998年)や『風花』(2001年)のようなお仕事が舞い込んできた。もちろん歌手メインでやっていたときも、そのときなりに懸命にお芝居をしていたつもりでしたが、ちょっと苦手意識があって敬遠気味でもあったんです。でも、当時私ももう30代でしたし、ここで取り組んでおかないと、やらないままどんどん時間が過ぎていっちゃう気がして。だから、ここはお腹に力を込めて取り組んでおこう、と。

 特に『風花』は、お腹に力を込めるきっかけになった作品ですね。相米慎二さんというものすごい監督の下で勉強させてもらえた上に、浅野忠信さんをはじめ、1980年代からずっと低迷していた日本映画をどうにか盛り立てようと命を賭けている若い男の子の俳優さんやスタッフの方に出会うこともできた。

 ただ、その一方で周りを見渡してみたら、私以降の世代で映画を背負おうとする女優が意外と少ないなってことに気づいたんです。そこからですね、映画への思いが強くなったのは。

 舞台についても、若い頃、久世光彦さんのドラマなどで共演させていただいていた俳優さんがみんな舞台をバックボーンに持っていて。舞台出身の役者さんって、お芝居のアプローチの方法が私たちと違って面白かったんですよ。それ以来、「舞台には私の知らないなにかがあるに違いない」という思いが常にあったんです。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 4ページ
  • 5ページ
  • 次へ
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
保存
印刷
リプリント
共有
関連キーワード

小泉今日子、山口百恵、黒沢清、相米慎二、蜷川幸雄、永瀬正敏、松田聖子、久世光彦、浅野忠信、岩松了、AKB48、WOWOW、ライ麦畑でつかまえて

日経BPの関連記事

【PR】

【PR】

エンタウオッチング 一覧

[左]ももいろクローバーZは2008年結成。2010年5月『行くぜっ!怪盗少女』でメジャーデビュー。2011年4月、早見あかりの脱退を経て、「Z」へと改名。8月4日には横浜・日産スタジアムで単独コンサートを開催する(写真:加藤康)
[右]2005年に初公演したAKB48は、2006年2月に『桜の花びらたち』でメジャーデビュー。6月8日に横浜・日産スタジアムで「AKB48スーパーフェスティバル」を開催。第5回選抜総選挙の結果を発表した(写真:辺見真也)

(日経エンタテインメント!)

ももクロ、初のAKB超え タレントパワーランキング

 多くのグループがしのぎを削ることから「戦国時代」などと称される女子アイドル。「日経エンタテインメント!」誌が2013年6月号で発表した最新のタレントパワーランキング調査ではついに“下克上”の結果が出…続き (6/24)

[上]発売日だった4月12日、0時の代官山蔦屋書店での様子。20代、30代の若いファンが目立った
[中央]話題書が必ず手に入るといわれる、紀伊国屋書店新宿本店でも発売3日目に売り切れた
[下]当日午前中に売り切れた都内の書店

発売から7日目で100万部 村上春樹メガヒットの仕掛け

 4月12日に刊行され、現在の発行部数は105万部(6月13日時点)の村上春樹最新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』。ミリオン(100万部)を達成したのは発売から7日目という、異例の速さだ…続き (6/17)

数々の名勝負が繰り広げられる『水滸伝』。6月以降、DVD全7セット(全86話)が毎月発売される。右の画像は『水滸伝DVD-SET1』(1~12話収録、1万8900円、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント)

(日経エンタテインメント!)

歴史活劇「水滸伝」が放つ今どきの魅力

 中国の「水滸伝」は、日本でも過去に吉川英治や北方謙三などが小説化し、人気を集めてきた。その「水滸伝」が今、テレビドラマとして改めて注目を集めている。制作費55億円という中国ドラマならではのスケールの…続き (6/10)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経ウーマノミクス・プロジェクト

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

[PR]

【PR】

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について