別府国際観光港に入港する海外クルーズ船=昨年3月
外国人観光客を乗せた海外クルーズ船が7月以降、県内に来航するめどが立っていない。4~8月に別府国際観光港への寄港を予定していた中国からのツアー5回が日中関係の冷え込みでキャンセルになり、韓国からのクルーズ船も利用不振で2月から運航が止まっている。県は新規の相手先を探そうと、台湾やシンガポールなどで誘致活動に取り組む方針だ。
県観光・地域振興課によると、海外クルーズ船の県内寄港は昨年度、韓国や中国からのツアーを中心に計26回あった。
本年度は5、6月に米国の船会社が運航するクルーズ船が計3回来航(うち2回は2カ所に寄港)したのみで、その後の予定は入っていない。県は中国からのクルーズ船を運航するロイヤル・カリビアン社に再開を求めているが、本年度中は厳しい見通しという。
今後、国内のクルーズ船の来航予定はあるが、県は寄港回数を増やそうと海外の新規開拓を強化する方針。別府市などとつくる県国際観光船誘致促進協議会と連携して台湾や米国の船会社に働き掛けをするほか、10月にシンガポールで開かれる国際クルーズコンベンションに参加してPRをする予定。
25日の県議会本会議で塩川也寸志県企画振興部長は「中国から九州へのクルーズ船の寄港は激減しており、各県とも大変苦慮している」と述べた上で、「新たなクルーズ船の誘致活動を積極的に実施していきたい」と強調した。
嶋幸一氏(自民党・無所属の会)の一般質問に答えた。
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