2013.6.26 05:04(2/3ページ)

「入れ~ッ!」虎・良太、雄叫び届いた連敗脱出弾

新井良は九回、勝ち越し弾を放ったあと雄叫びをあげた(撮影・白鳥恵)

新井良は九回、勝ち越し弾を放ったあと雄叫びをあげた(撮影・白鳥恵)【拡大】

 両手には確かな感触が残った。弾丸ライナーが富山アルペンスタジアム後方にそびえる立山連峰へ一直線だ。新井良は一塁ベースを回ったあたりで左翼席に着弾したのを確認すると、全身で喜びを表現。値千金の決勝アーチがチームの連敗を「5」で止めた。

 「いい感じでとらえたので、『頼むから入ってくれ!』と願いながら、走っていました。最高に気持ちよかったです!!」

 不穏な空気を吹き飛ばす一撃だった。1点リードの八回に能見が同点打を浴び、振り出しに。試合の流れが中日に傾きかけたところで、九回先頭の打席に入った。「真っすぐを狙っていた。力負けしないように」。元同僚・中田賢の高めに浮いた142キロの直球を強振した。2戦連続の一発は試合を決める7号ソロとなった。

 エースとの約束を果たした。新井良はこれまで、能見の登板時に9試合で打率・154(26打数4安打)、0本塁打、2打点。バットで援護できない左腕に「次の登板では打ちます」と誓っていた矢先の6月上旬に2軍落ち。「実力がないから。鍛錬、鍛錬…」といい続けた。

 常々アドバイスをくれる指揮官からの「思いきった良太の躍動感ある思い切ってプレーする姿が見たい」という言葉に吹っ切れた。がむしゃらにバットを振り込み、「打てなかったときの方がよく眠れるわ」と豪快に笑い飛ばした。

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