2013.6.26 05:02

虎・福原、緊急出動S!能見降板もピンチ任せろ

緊急登板にも福原は動じず、最後の打者を併殺に仕留めた(撮影・岡田亮二)

緊急登板にも福原は動じず、最後の打者を併殺に仕留めた(撮影・岡田亮二)【拡大】

 (セ・リーグ、中日1-2阪神、7回戦、中日4勝3敗、25日、富山)緊急登板にも、虎投最年長、36歳のベテランが動じることはなかった。日ごろの恩返しとばかりに、福原が、後輩・能見へ7勝目をプレゼント。チームの連敗も5で食い止める、自身1年ぶりのセーブを挙げた。

 「もちろん、準備はしていました。1人1人抑えることだけ、考えた。能見がよく抑えていましたからね」

 これで登板4試合連続で無失点。今季23試合目の登板で防御率0・93を誇る右腕は、試合後、頼もしく汗をぬぐった。

 新井良の一発で勝ち越した直後の九回に、アクシデントは起こった。完投目前の能見が、一死から和田の打球を左足首に受け(強襲安打)、マウンドを降りた。リードはわずか1点。ひっくり返されれば、能見の勝ち星が消えるどころか、泥沼の6連敗…。そんな展開でも冷静に、熱くエースの気迫を受け継いだ。

 平田に対し、直っすぐで強気に押した。そしてカウント2ー2から5球目、カットボールで注文通りの二ゴロ併殺。ゲームセットの瞬間、思わず安堵の笑みがこぼれた。

 「能見が投げるときはいつも(ブルペン陣は)休ませてもらっているんで。たまには、ね」

 3試合連続完投中だったエース。能見が登板する前には「きょうは俺は休みやな」と信頼を込めて“冷やかして”きた。だからこそ、こんな日は絶対に打たれるわけにはいかない。わずか5球の会心ピッチ。昨年6月14日の西武戦(西武D)以来の通算15セーブ目は、格別だったに違いない。 (堀 啓介)

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