ヘイトの現場から:/上 「はまる体験」デモに老若男女 ネット信じ「嫌韓」
毎日新聞 2013年06月25日 大阪夕刊
彼、彼女らを街頭でのヘイトスピーチに向かわせるものは、歴史認識などネット上の情報だけなのか。スピーチで「商売だった」などと取り上げる慰安婦問題などで、同趣旨の発言をする政治家は多い。そうした発言を繰り返してきた有力政治家を「ファン」だという声は多いという。
在特会は、日韓関係や日中関係の歴史をネット上で議論していた勉強会が母体になり07年に結成された。その後、「自ら情報の発信源になろう」と活動を動画投稿サイトで流す手法を編み出したという。そうした動きに、従来の右翼活動家も加わっているのが実情だ。
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ネット空間で飛び交っていた差別発言を、現実社会で公然と叫ぶヘイトスピーチ。その現場を追った。
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■ことば
◇ヘイトスピーチ
特定の民族や集団に対する差別的で憎悪をかき立てる発言や表現。ドイツで「民衆扇動罪」として禁止されているのをはじめ、法規制を行っている国は少なくない。日本では法規制はない。在日コリアンらへのヘイトスピーチが横行し、規制を求める声も上がるが憲法21条の「表現の自由」との関係で慎重な意見も多い。刑法の名誉毀損(きそん)罪は集団への侮辱的言動は対象にならない。