虚構の環:第3部・安全保障の陰で/2 再処理継続、米は後ろ向き
毎日新聞 2013年06月26日 東京朝刊
安倍晋三首相は「10年間でベストミックス(電源構成の最適な組み合わせ)を考える」と述べ、原発依存度を明示していない。内閣府関係者によると、サイクル維持には15〜20%必要だ。それを下回ると再処理しても燃料として使う原発が不足するからだ。協定改定時期を念頭に置けば、早期に「一定数の原発は稼働する見込みだ」と米国にアピールする必要がある。
経済産業省がひそかに動く。5月に作成された内部文書には「原発の新増設は法的に可能。新しい原発は既存の原発に比べ安全性が高い。事業者も既に相当額の投資を行っている」と書かれ、政府に提出済みだ。なぜ新増設なのか。経産省職員が語る。「新規制基準は厳しく、古い原発の再稼働は難しい。だから新増設で一定の原発比率を確保する。参院選で自民が勝ったら一気に動く」=つづく