米ニューヨーク(New York)の国連(UN)本部で開かれた国連安保理(UN Security Council)の会合で、紛争下における性的暴行について語る米女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さん(2013年6月24日撮影)。(c)AFP/Stan HONDA
【6月25日 AFP】米女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんが24日、国連安全保障理事会(UN Security Council)で突然のスピーチを行い、シリア問題やその他の紛争を引き合いに出して安保理が戦時下のレイプへの対応を怠っているとして非難した。
ジョリーさんは、シリア内戦で対立の溝が埋まらない露・中・米・仏・英の各国の大使が耳を傾ける中、紛争下で性的暴行の犠牲者が数十万人に上る事実を安保理が深刻に受け止めていないと批判した。
5月に乳腺切除手術を受けたことを告白したジョリーさんはその後、紛争下の性的暴行に関するロビー活動を積極的に展開している。先週には、ヨルダンにあるシリア難民キャンプを訪問したばかり。この日のジョリーさんの登壇が発表されたのは、会議の開始直前のことだった。
ジョリーさんは、「これらの犯罪は、戦争中には起こっても仕方のないことだから起こるのではなく、国際社会が容認しているから起こるのです。国連安保理が戦時下のレイプと性的暴行を優先課題に掲げれば、それは本当に優先課題として扱われ、前進が望めるはずです。もし優先されなければ、このおぞましい出来事は続いていきます。この議場を出られる際に、どうかこの問題を看過してしまわないでください」と呼び掛けた。
安保理は紛争下での性的暴行を非難する決議を採択した。英国のウィリアム・ヘイグ(William Hague)外相は、9月の国連総会でこの問題をテーマとした新たな会合を設定することを明らかにした。(c)AFP