6月25日の米国マーケットサマリー:ドル上昇、株価反発
6月25日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3095 1.3120 ドル/円 97.78 97.73 ユーロ/円 128.05 128.22 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 14,760.31 +100.75 +.7% S&P500種 1,588.03 +14.94 +.9% ナスダック総合指数 3,347.89 +27.13 +.8% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .40% +.02 米国債10年物 2.60% +.06 米国債30年物 3.62% +.07 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,275.10 -2.00 -.16% 原油先物 (ドル/バレル) 95.24 +.06 +.06%◎NY外国為替市場
25日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで5日連続高。米国で発表された経済統計が予想よりも良好だったことから、米金融当局が債券購入を縮小するとの見方が強まった。
5月の米耐久財受注と6月の消費者信頼感指数が予想を上回ったことから、ドルは一時の下げを埋めた。ユーロは下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ圏経済の状態が引き続き緩和的な金融政策を必要なものにしているとの認識を示した。
英銀スタンダードチャータードのシニア通貨ストラテジスト、マイク・モラン氏(ニューヨーク在勤)は、「いくつか良好な経済統計が発表され、主要7カ国(G7)通貨に対してドルが押し上げられた」と述べ、「これらの統計のおかげで、最も注目を集めている緩和策縮小をめぐる議論が鮮明になってきた」と続けた。
ニューヨーク時間午後2時12分、ドルは対ユーロで0.2%上昇して1ユーロ=1.3089ドル。一時は0.2%安まで下げた場面もあった。ドルは対円で0.1%上昇して1ドル=97円76銭。ユーロは対円で0.2%安の1ユーロ=127円95銭。
◎米国株式市場米株式相場は反発。S&P500種 株価指数は前日に付けた9週間ぶり安値から回復した。耐久財受注額や住宅販売件数が予想を上回り、消費者信頼感が改善を示したことが買いを誘った。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前日比1%高の1588.03で終了。ダウ工業株30種平均は100.75ドル(0.7%)上げて14760.31ドルで終えた。
パイオニア・インベストメント・マネジメント(ボストン)のポートフォリオマネジャー、ジョン・キャリー氏は「市場はなお米金融当局からのニュースを消化しようとしており、新たな金利水準や今後四半期の証券価格に及ぼし得る影響に備え、見方を変えようとしている。相場がこの水準で安定しつつあることは心強い」と述べた。
◎米国債市場米国債相場は下落。10年債利回りは2011年以来の高水準に接近している。この日発表された経済指標では製造業耐久財受注や住宅価格、消費者信頼感が改善し、金融当局による債券購入縮小を後押しする内容となった。
この日実施された2年債入札 (発行額350億ドル)では、最高落札利回りは0.430%で、2年ぶり高水準となった。この入札後、相場は軟調な展開が続いた。10年債利回りは7営業日連続での上昇。これは12年3月以来で最長となる。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、景気が予想通りに回復した場合、年内にも量的緩和を縮小させ始め、14年年央には終了する可能性があると述べた。
グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「金融当局が経済予測で示した景気認識と一致した指標がいくつか出始めている」とし、「きょうのような力強い経済指標が続けば、当局は緩和縮小に近づくと想定される」と続けた。
ニューヨーク時間午後3時29分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.58%。一時2.48%に下げる場面もあった。前日は2.66%と、11年8月以来の高水準を付けた。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格はこの日、11/32下げて92 25/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は続落。米経済改善の兆しを背景に、金融当局が緩和策を終了するとの観測が強まった。
米製造業耐久財受注は予想を上回る伸びとなったほか、消費者信頼感指数は約5年ぶり水準に上昇した。先週は米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、景気改善が続くなら資産購入プログラムを縮小する可能性があると発言したことをきっかけに、金は週間ベースで6.9%下落した。
フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「こうした良好な経済のニュースは金にとって好ましくない」と指摘。「金は非常に売られやすい状況にあり、ドルの堅調も金を一段と押し下げている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比0.2%安の1オンス=1275.10ドルで終了した。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は小幅続伸。米製造業耐久財受注が予想以上に伸びたことが影響した。
米商務省の発表によれば、5月の製造業耐久財受注は前月比3.6%増加した。カナダ産原油の対米輸送で最大手のエンブリッジ は、アルバータ州でオイルサンドパイプライン網の一部で操業を再開した。これらのパイプラインは洪水の影響で輸送を停止していた。
シュナイダー・エレクトリック・プロフェッショナル・サービシズの商品アナリスト、ジェイコブ・コレル氏(ケンタッキー州ルイビル在勤)は「耐久財統計が持ち直していることは経済が少しは活気を取り戻しつつある兆候だ」と指摘。「エンブリッジのパイプラインが再稼働しつつあり、今後の価格は軟調になると予想される」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前営日比14セント(0.15%)高の1バレル=95.32ドルで終了した。
更新日時: 2013/06/26 05:38 JST