米国株:反発、予想を上回る耐久財受注や住宅販売統計を好感
6月25日(ブルームバーグ):米株式相場は反発。S&P500種 株価指数は前日に付けた9週間ぶり安値から回復した。耐久財受注額や住宅販売件数が予想を上回り、消費者信頼感が改善を示したことが買いを誘った。
住宅建設のパルトグループは大幅高。S&P住宅建設株 指数も上げた。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(BOA)など金融株も高い。一方、ウォルグリーンは大幅安。四半期決算で利益が予想を下回ったことが嫌気された。サンフォード・C・バーンスティーンが投資判断を引き下げたネットフリックスも安い。
S&P500種株価指数は前日比1%高の1588.03で終了。ダウ工業株30種平均は100.75ドル(0.7%)上げて14760.31ドルで終えた。
パイオニア・インベストメント・マネジメント(ボストン)のポートフォリオマネジャー、ジョン・キャリー氏は「市場はなお米金融当局からのニュースを消化しようとしており、新たな金利水準や今後四半期の証券価格に及ぼし得る影響に備え、見方を変えようとしている。相場がこの水準で安定しつつあることは心強い」と述べた。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した6月の消費者信頼感指数は81.4と、前月の74.3から上昇した。5月の製造業耐久財受注額は2カ月連続で前月比3.6%増加し、市場予想も上回った。
5月の米新築住宅販売は予想以上に増加、約5年ぶりの水準に回復した。4月の全米20都市の住宅価格は前年同月比で予想を上回った。
「全ての市場を揺るがす」PFAペンション(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、ウィトルド・バーク氏は電子メールで「量的緩和は全てを押し上げた。同様に、その解除は全ての市場を揺るがすだろう。金融当局からの最近のコメントは発言の影響をやや心配し、なお脆弱な世界経済との関連で相場の荒い反応を望んでいないことを示唆している」と述べた。
中国人民銀行(中央銀行)は25日、複数の政策手段を駆使して短期金融市場の安定を守ると表明するとともに、流動性の逼迫(ひっぱく)は和らぐとの見通しを示した。銀行間資金の取引センターNIFCがまとめた加重平均金利によると、翌日物レポ金利は25日、47bp低下の6%となった。20日には過去最高の12.85%に達していた。
米証券取引所全体の出来高 は67億株と、3カ月平均を4.3%上回った。ブルームバーグがまとめたデータによると、過去3営業日の出来高は約288億株と、2011年8月以降で最高となった。
住宅建設株パルトグループ は3.9%上昇。S&P住宅建設株指数を構成する11銘柄のうち9銘柄が上昇した。同指数は5月14日に付けた高値から前日までに19.6%下落していた。高値から20%と下げると弱気相場入りといわれる。
S&P500種のセクター別 では全10業種が上昇。特に金融株(1.9%高)の上げが目立った。JPモルガンは2.3%高、BOAは3%上昇しダウ平均で上昇率2位となった。
景気敏感株に買いが入り、モルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.4%上昇した。ダウ輸送株平均は1.9%高。構成する全20銘柄全てが上昇した。
アシュバートンのファンドマネジャー、ニック・スキミング氏は「米国は安全な逃避先とみなされている。米経済は回復し始めており、短期的に米国株が他の株式市場の成績を上回っていることにつながっている」と語った。
原題:U.S. Stocks Rebound From Nine-Week Low on Housing,Economic Data(抜粋)
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更新日時: 2013/06/26 06:47 JST