【柔道】谷氏ら全柔連初の女性理事３人、意欲見せるも質問は２問で打ち切り

嘉納治五郎氏の写真の前で、柔道界の改革を誓った（左から）田辺陽子、谷亮子、北田典子の新女性理事

　不祥事が相次ぐ全日本柔道連盟で初の女性理事に決まった五輪女子４８キロ級２大会連続金メダルで参院議員の谷亮子氏（３７）ら五輪メダリスト３人が２５日、東京・文京区の講道館で会見し、谷氏は「子供たちが夢や希望を持てる健全な柔道の体制作りに全力を尽くしたい」と意欲を語った。会見は３人への質問をわずか２問で打ち切り、上村春樹会長の進退については語られなかった。

　「１４歳から３５歳まで強化選手として全柔連に携わってきた」という谷氏は、全柔連の問題点について「選手、所属、全柔連のそれぞれが孤立してしまっている。全体がリンクして意思疎通を図ることが重要」と指摘。「柔道界は悪いところばかりではない。素晴らしい伝統と文化を引き継いで改革したい」と語った。

　五輪女子７２キロ級２大会連続銀メダルの田辺陽子氏（４７）は「柔道界は正直、大変古い体質と感じている。外の風が入りづらい中で物事が進んできた」と苦言。８８年ソウル五輪女子６１キロ級銅の北田典子氏（４６）は「みんなが今回の件を我が痛みと感じれば再生できる」と語った。

　◆谷　亮子（たに・りょうこ）１９７５年９月６日、福岡市生まれ。００年シドニー五輪、０４年アテネ五輪で女子４８キロ級金メダル。１０年から参院議員。夫はプロ野球・巨人の谷佳知外野手（４０）。

　◆田辺　陽子（たなべ・ようこ）１９６６年１月２８日、東京都生まれ。９２年バルセロナ五輪、９６年アトランタ五輪で女子７２キロ級銀。現在は日大女子柔道部監督、文科省中央教育審議会委員、日本オリンピアンズ協会理事など。

　◆北田　典子（きただ・のりこ）１９６６年８月１０日、東京都生まれ。８８年ソウル五輪女子６１キロ級銅。現在は、講道学舎塾長、全柔連暴力根絶プロジェクトセクハラ分科会リーダーなど。