京都大の山中伸弥教授らは25日、人の皮膚の細胞などがiPS細胞に育つのを妨げているしくみの一端を解明したと発表した。細胞が変化する途中で75%以上の細胞が元の状態に逆戻りし、iPS細胞になれないという。iPS細胞の作製効率は0.2%程度と極めて低く、医療応用に向けて大幅に改善する手がかりになるとみている。
高橋和利講師らによる成果で、研究成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
研究グループは、皮膚細胞などがiPS細胞になり始めると「TRA―1―60」というたんぱく質が発生することを見つけた。このたんぱく質を目印としてiPS細胞の変化を観察した。
iPS細胞を作るのに必要な4つの遺伝子を導入すると、12~24%の細胞でiPS細胞になるための初期化という変化が始まっていた。しかし、その後75%以上の細胞は初期化の途中で元の細胞に逆戻りしてしまうことがわかった。
この逆戻りを「LIN28」という遺伝子が抑えることも明らかになった。iPS細胞への変化が続くので作製効率の向上が期待できるという。この遺伝子は海外の研究グループがiPS細胞の作製に使っているという。
皮膚細胞などからiPS細胞ができるしくみの詳細はまだ分かっていない。今回の研究では、iPS細胞への変化は起きていることから、化学物質や遺伝子で成長を促せば、大量のiPS細胞を効率よく作れる可能性がある。
山中伸弥、iPS細胞作製、iPS細胞、細胞逆戻り
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