ソフトバンクによる米携帯電話3位、スプリント・ネクステルの買収提案が、米国時間25日午前(日本時間26日未明)の同社臨時株主総会で承認される見通しとなった。米衛星放送大手、ディッシュ・ネットワークとの激しい買収合戦を制したが、米国で顧客獲得や巨額投資の回収など本当の挑戦はこれからだ。
ソフトバンクとスプリントをあわせた携帯電話事業の年間売上高は5兆円超。中国のチャイナモバイル、米ベライゾン・ワイヤレスなどに次ぎ、世界トップ5に入る携帯電話会社が7月にも誕生する。日米あわせた顧客数は1億人に迫る。
米国事業はソフトバンクの成長戦略を左右する。「米国の市場は日本の2.5倍。今も成長している」。ソフトバンクの孫正義社長は21日に開いた自社の株主総会でそう語った。まずは2012年12月期まで6期連続で連結最終赤字のスプリントの立て直しを急ぐ。
スプリントの顧客数は約5500万件。首位のベライゾン、2位のAT&Tの半分程度にとどまり、昨年6月から今年3月までに117万件減った。ソフトバンクは高速通信サービス「LTE」で攻勢に出る考え。「まずは通信網の整備を一気にやる」として、ベライゾンなど2強をしのぐインフラ構築を目指す。
課題は資金負担だ。買収総額216億ドル(為替予約分を含め1.8兆円)のうち80億ドルをスプリントの財務支援に使う計画だったが、ディッシュに対抗して買収額を積み増した際、財務支援資金のうち30億ドルを株式の買収に回すことを決めた。スプリントの設備投資余力は縮小している。
スプリントの高速無線通信子会社クリアワイヤを巡るディッシュとの争奪戦はまだ決着していない。LTE整備はクリアワイヤの持つ周波数の活用が前提だが、争奪戦次第で周波数をフル活用できない可能性もある。手持ちの周波数を活用するため基地局をより多く整備する必要に迫られると投資負担はさらに増す。
買収に備えた銀行借り入れや社債発行でソフトバンクの14年3月期末の連結有利子負債残高は前期末比2倍の4兆円を超えることが確実。投資回収を円滑に進めるためにも米国での契約数を安定して増やす必要がある。
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