クーレ理事:ECBの出口遠いことに疑問の余地なし、緩和継続
6月25日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は25日、現在の経済状況は同中銀の金融政策姿勢変更を正当化するものではないとの見解を示し、非伝統的措置をECBは必要な限り継続すると表明した。
クーレ理事はロンドンで講演。「経済成長は今年いっぱい弱い状態が続き、ユーロ圏のインフレ率は明確に2%を下回ったままだろう」と語った。
金利は「最終的には上がる」と述べる一方で、ECBの緩和的な金融政策からの出口が「遠い」ことには疑いの余地がないと強調した。
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が先週、米当局が2014年半ばごろに債券購入を終了する可能性を示唆した後に世界の債券相場は急落した。クーレ理事は「現在の経済状況に照らしてボラティリティは過剰だ」と述べた。
クーレ理事は同時に、緩和的な政策を長く続け過ぎれば市場の価格メカニズムをゆがめ、リスクテーク増大を促す恐れがあると警告。「長引く流動性は市場に混乱の種をまく」と指摘した。
さらに、「国債スプレッドの現在の低水準を当然視してはならない。従って、財政状況を持続可能なものにする各国の取り組みは手を緩めることなく継続されなければならない」と論じた。
原題:Coeure Says There Should Be No Doubt ECB Policy Exit IsDistant(抜粋)
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更新日時: 2013/06/25 18:02 JST