米スプリント株主:ソフトバンクによる216億ドルの買収案承認
6月25日(ブルームバーグ):米携帯電話3位スプリント・ネクステル の株主は、ソフトバンクによる216億ドル(約2兆1100億円)の買収提案を承認した。今回の株主決定により、8カ月に及ぶ買収劇は幕を下ろす。
25日のスプリント発表によると、投票では約98%が買収を支持した。ソフトバンクはスプリント買収に必要な規制当局の認可4件のうち3件を既に取得。米連邦通信委員会(FCC)による最終承認が待たれている。
スプリントをめぐっては、米衛星テレビ会社のディッシュ・ネットワーク が255億ドルでの対抗買収案を提示していた。ソフトバンクは買収が成功した場合に国家安全保障の担当者を起用することで合意。スプリントが50%を保有する無線通信会社クリアワイヤ をめぐる買収合戦も繰り広げられた。
ソフトバンクの孫正義社長は先週、世界一の通信会社を目指すと表明しており、今回のスプリント買収承認により、その目標へと一歩近づくことになる。ディッシュのチャーリー・アーゲン会長は先週、スプリント買収計画を断念した。ソフトバンクは買収提示額を引き上げていた。
ソフトバンクは「スプリント株主の支持が得られて光栄に思う」とのコメントを電子メールで発表。「FCCの認可取得と速やかな買収完了を望んでいる」と続けた。
孫社長はスプリント会長にFCCのニール・グレース報道官は、この買収をめぐる委員会の投票の時期についてコメントすることはないと述べた。
買収完了後は孫社長がスプリントの会長となり、ソフトバンク米国事業責任者のロン・フィッシャー氏が副会長に就任する。
スプリントのダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)は発表文で、「当社にとって歴史的な日となった。当社を変革するこの合併合意を承認してくれた株主に感謝したい」とし、「ソフトバンクによる買収はスプリントの財務の柔軟性を向上させ、長期的な企業価値と競争力を高めるはずだ」と続けた。
原題:Sprint Investors Approve $21.6 Billion SoftBankAcquisition (1)(抜粋)
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更新日時: 2013/06/26 03:02 JST