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前回の都議選で、第1党の座を初めて自民党から奪った民主党。大敗した昨年の衆院選と同様、惨敗となった。
菅直人元首相のおひざ元、武蔵野市(定数1)。3選をめざした松下玲子氏(42)は23日午後11時前、市内の選挙事務所で落選の連絡を受けた。「大逆風の中で僅差(きんさ)だったが悔しい。現実を直視し、信頼を取り戻すためにゼロから戦っていきたい」。駆けつけた菅氏も「ここから再出発しないといけない」と沈痛な面持ちで語った。
在職中の都議として初めて出産した経験を踏まえ、子育て支援策を訴えてきたが、支援者から「自民との違いが見えない」と言われて方針転換。中盤から「原発ゼロ」と「改憲反対」を前面に出した。だが、党への失望は強く、「離れた人の心を動かすのは難しいと痛感した」。
前回、民主が2人を擁立し、いずれも当選を果たした北区(定数4)。だが、今回は共倒れとなった。
都議会議長も務めた和田宗春氏(69)も落選。「4年前は波が高まった状態での選挙だったが、今回は波が下がった中での戦いになった。組織的なものがなかったので、波どおりの結果になってしまった」
民主は都議選で、1997年に12議席を獲得以降、議席を増やしてきた。前回は54議席。自民が40年守ってきた第1党を奪った。だが、国政での消費増税法案などへの反発で、都議会でも離党が相次ぎ、改選前は43人にまで減っていた。
東京・永田町の民主党本部の開票センター。苦戦が予想された今回は、当選した候補者の顔写真に花を付けるパフォーマンスは最初から取りやめた。次々と花が付いた前回とは対照的な光景となった。
24日午前0時ごろ、細野豪志幹事長は「厳しい結果」と悔しさをにじませる一方、「本当にいまの自公政権にお任せでいいのか。参院選は、もう一度、国民に立ち止まって考えてもらえる選挙にしたい」と話した。
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朝日新聞官邸クラブ