原発の新たな規制基準を正式決定6月19日 12時42分
原子力発電所の深刻な事故への対策を初めて義務づける新たな規制基準が、19日の国の原子力規制委員会で正式に決定しました。
原子力規制委員会の19日午前の会合では、去年10月から策定作業が続いてきた、原発の新たな規制基準について最終的な案が示され、特に異論は出ずに正式に決定しました。
新基準は、これまで電力会社の自主的な取り組みに任されてきた深刻な事故への対策を初めて義務づけるほか、地震や津波の想定をより厳しく評価するよう求めています。
また、規制委員会は施行日を来月8日に決めて、電力会社の運転再開に向けた申請を受け付けることにしています。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は、会合で、「国際的にみても相当きちんとした規制の体系ができた。ただ真価が問われるのはこれからで、審査の中で魂が入るようにしなければならない。今後、基準を見直ししたり、新たな知見を取り入れたりする仕組みについても考える必要がある」と述べました。
新基準を巡っては、東京電力福島第一原発とは異なる「加圧水型」と呼ばれるタイプの合わせて6つの原発が、新基準の施行後速やかに運転再開に向けた申請をする見通しです。
これに対し規制委員会は、「審査は少なくとも半年程度かかる」としていて、初めての規制基準に基づいて、どう審査をするのか注目されます。
原子力規制委各委員の発言
原発の新たな規制基準を決定した会合で原子力規制委員会の田中俊一委員長は「新たな基準は従来のものから大きく変わり非常に大きな節目だ。新基準の真価が問われるのはこれからで審査に魂が入るかどうかだ。審査は基本的に公開で進めたい」と述べました。
新たな基準の中で主に深刻な事故への対策の策定に関わってきた更田豊志委員は「新基準の策定は原子力規制を行ううえでまだ2合目から3合目であり、今後の適用が重要なので責任を果たしていきたい」と述べました。
地震や津波への対策やその審査の在り方などで中心になった島崎邦彦委員は「新たな基準は今後も学術の発展とともに変わっていくので、さらにふさわしいものをちゅうちょせず求めていく」と述べました。
大島賢三委員は「原子力安全の向上は日進月歩で進むものであり、将来どうやって見直すのかそのメカニズムを考えておくことが必要だ」と述べ、国内や海外からの意見を取り入れながら見直せる仕組みが必要だと指摘しました。
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