東京都議選:自民59人全員当選 第1党奪還 民主惨敗
毎日新聞 2013年06月23日 22時28分(最終更新 06月24日 15時10分)
◇公明も23人全員が当選
参院選の前哨戦として注目された東京都議選(定数127)は23日投開票され、自民党が全42選挙区に擁立した59人全員の当選を果たし、都議会第1党の座を奪い返した。自民の獲得議席は過去10回では1977年と85年の56議席を抜き最多で、全員当選は史上初めて。協力関係にある公明党も23人全員が当選した。共産党は現有8議席から倍増以上の17議席を獲得し、第3党に躍進。前回54議席と大勝した民主党は15議席にとどまり、第4党まで転落した。都議選では初の本格参戦となった日本維新の会も2議席と伸び悩んだ。投票率は前回(54.49%)を大きく下回り、過去2番目に低い43.50%となった。
今回の都議選は都政課題の明確な争点がなく、各党は安倍政権の経済政策「アベノミクス」への評価を主要な争点に取り上げた。
自民党は「準国政選挙」(安倍晋三首相)と位置づけて、3分の1の14選挙区に複数擁立するなど攻めの戦いを展開。港区で2議席独占、3人を立てた大田、世田谷、練馬区でも全員当選を果たすなど強さを見せつけた。現職のみを公認した堅実な選挙で第2党になった公明と引き続き協力体制を敷き、都政運営を主導する構えだ。
民主党は公認を前回より14人少ない44人に絞ったが、1人区で全敗したほか、定数8の世田谷区、同6の杉並区でも議席ゼロになるなど、昨年の衆院選から続く失速に歯止めがかからなかった。都議会ではこの4年間で離党者が相次ぎ、第1党としての存在感を発揮できなかったことも、都民の失望につながった。
3回連続で議席を減らしてきた共産は、自公の大量得票で当選ラインが下がった定数3以上の選挙区などで健闘し、現有議席を大きく上積みした。みんなの党も無党派層の一定の受け皿となり、支持を伸ばした。
一方、大量の34人を擁立した維新は、共同代表の橋下徹・大阪市長の従軍慰安婦問題などを巡る発言による逆風をはね返せなかった。昨年の衆院選に続いて首都圏で足場を築くのに失敗し、参院選に向けての戦略見直しが迫られる。【清水健二】