ライフ【書評】『東京裁判を批判したマッカーサー元帥の謎と真実』吉本貞昭著2013.6.22 08:10

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【書評】
『東京裁判を批判したマッカーサー元帥の謎と真実』吉本貞昭著

2013.6.22 08:10
「東京裁判を批判したマッカーサー元帥の謎と真実」

「東京裁判を批判したマッカーサー元帥の謎と真実」

 ■誤りの原点は米「南北戦争」

 定説には必ず間違いがある-。本書は、戦後60数年の間に日本で定着した、間違いだらけの「戦後史の定説」を覆す、著者渾身のノンフィクションである。

 著者はこれまで一貫して、日本人に自信と誇りを取り戻すための執筆活動を続けており、本書も、その一環として執筆された。そして今回は、日本人が避けて通ることのできない「東京裁判」をテーマに、さまざまな「定説のウソ」を暴き、「歴史のミステリー」を解き明かしていく。

 たとえば「GHQ占領下では、東京裁判を批判することは、いっさいできなかった」-。たとえば「マッカーサーは強大な権力と復讐心をもって、戦犯たちを無慈悲に処刑した」-。これらの定説が、東京裁判を批判し、その「誤り」を認めたマッカーサーの真意とともに、歴史的資料を駆使して検証され、数々の真相が明らかになってゆく。

 また本書では、全国54紙もの新聞記事を、可能な限り当時の原文のまま収録し、現在定説となっている「GHQによる厳しい検閲のもと」で、なぜ43紙、実に79・6%もの新聞が「東京裁判は誤り」という記事を掲載できたのかについても検証している。

 そして著者は、この「東京裁判は誤り」について、そのルーツがアメリカの「南北戦争」にあったと結論づける。

 マッカーサー、インド代表パール判事、そしてアメリカ南北戦争という、三つどもえの謎を解くカギは何なのか。その鮮やかな「謎解き」については、ぜひ本書をご一読いただきたい。(ハート出版・1890円)

 ハート出版編集部 是安宏昭

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