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【自転車】〔山形市〕自転車道の社会実験意見交換会~大荒れ!

「ほっとなる通り」社会実験
▲寒いとはいえ、土曜日の午後1時ですが、車も人もまばらな中心商店街

国道112号線「ほっとなる通り」社会実験
http://www.thr.mlit.go.jp/yamagata/road/pilotprogram/index.html

★結局、問題は「路上駐車を認めよ」だった★

H22.2.26に山形市の中心商店街を走る国道112号線で行われている「ほっとなる通り」社会実験(自転車道の社会実験)の2回目の意見交換会に参加してきました。

この社会実験は、建設省山形河川国道事務所がH21.11から山形市中止部の七日町・本町・十日町商店街の国道112号線約1キロの区間で、一方通行道路の2車線の片側に2.5mの自転車道路を設置したものです。基本的に車線の減少はなく、減ったのは両サイドの路側帯で、歩道上の歩行者と自転車が分離されたことから、接触やひやりはっとなどのトラブルが激減したそうです。実際に現地を見ましたが自転車は、ほぼ全員が自転車道を通っていましたので、直接的な効果は抜群ということといえます。

と、はために見れば、とても良い社会実験のように思えたのですが、この自転車道設置に沿線の商店主たち猛反発。騒ぎはどんどん大きくなり、意見交換会が開かれるに至ったそうな。前回は、罵声と野次で、自転車道に賛成するものは「殺される」のではないかという勢いだったそうです。前回の進行役の先生は、自転車道賛成の発言をしたことから、反対派が申し入れてクビさせたそうな。

そんな大荒れが予想される意見交換会とは知っていたのですが、山形の知人から見に来てとのお声がかかりまして、遠路はるばる1時間半もJRに乗って山形市に向かったのでした。

「ほっとなる通り」社会実験
▲自転車道の反対派集会に近かった意見交換会

会場のナナビーンズに着き、挨拶もそこそこに席で知人と「中心市街地の活性化とは【商店の活性化だけ】じゃないんだよね」などと話をしていましたら、周りで聞き耳を立てていた商店主からさっそく絡まれる始末で、いやはや先が思いやれる意見交換会です。

意見交換会は、まず山形河川国道事務所から実験の概要や今後について説明があり、その後に会場から意見を言う場となりました。

スタートから自転車道反対の意見が次々に出てます。会の最初は自転車道反対派の方々も「国や警察にイジメられる弱い商店主」という構図を演出していたようですが、20分もすると弱者どころか、山形県警察本部の規制課長が言葉尻を掴まえられて突き上げにあう有様。まさに行政に立ち向かう圧力団体の様相で「ここの商店主の方々は本当は強いのだ」ということが分かりました。

「商店街の活性化になっていない」「実際には自転車が通っていない」「商店の売上が減った」「ここでやるべきでない」などなど、ありとあらゆる理由を並べ、時には行政側の発言の言葉尻を掴まえて攻撃をしながら、自転車道を必死になって否定しております。

後半には「うちの店は駐車場が小さいので、路上駐車認めろ」と山形県警察の方に直球で文句いう商店主も現れてホンネが露呈してしまいました。

少し前に新聞に掲載された「自転車道を廃止した場合は、駐停車禁にして取り締まりを強化」の記事も引き合いに出され、怒った参加者が警察をヤクザ呼ばわりするシーンもありました。警察に対して「路上駐車認めろ」とか「路上駐車やりますよ的な宣言」を公で言ってしまえば、そりゃ取り締まりが強化されるのは当たり前な話ですわな。

地元の方に聞いたら、この商店街では実験前、路上駐車常習地区で、店の前に車を止めて買い物をするのが当たり前。車から降りることなく、窓越しにやり取りするドライブスルーような買い物客もいたそうです。もちろんこういうことが状態化すれば、渋滞ももちろんひどくなりますし、自転車も歩道に上がって、歩行者とニアミスとなるわけです。

一応、国土交通省と県警は、駐車に関しては、現在の朝と夕方に1車線をまるまる荷捌き停車可能としているほかに、歩道をカットバックして、荷物卸スペースを設ける工事がこれから行なわれるそうで、この件も説明がされました。が、このプランも「金のムダ」「場所の選定がおかしいなどなど」ケチョン、ケチョン・・・。

つまり、この自転車道反対派の方々は、「自分の店の前に路上駐車」がしたいということだったのでした。

「ほっとなる通り」社会実験
▲自転車はきちんと自転車道を通るのが既に定着しているようです。

★NPOが非合法活動を後押しする側に★

とまあ、ここまで偏屈な商店主とはどこにでもいると片付けられることが多いのですが、山形の場合は違っておりました。

やり取りから自転車道を反対派の真の目的は『路上駐車の実現』ということが分かったのですが、この反対運動の中心的役割が「アジェンダ山形」というNPO。これにはびっくり、そして、この代表が地元老舗の「大沼デパート」の社長婦人というのを効いて2度びっくりです。このNPOがどういう内容を訴えて署名を展開したか不明ですが、自転車道反対の署名を2万人も集めたそうです。さらに県議や市議を使って政治的な圧力も行っていて、会場でも県議が圧力的な発言をしていました。そしてにしても、NPOが特定の人たちへの利益誘導のために政治を利用し、裏の目的である「不法行為」を推進する側に廻っているとは・・・。

そして、意見交換会の休憩時には、衝撃的なことを耳にしてしまいました。自転車道賛成派の方に、デパート社長婦人兼NPO代表がぶつぶつと話しかけていたのですが、その会話の中に「大沼デパートは自転車の客などいらん」といっていて、これには唖然としました。老舗デパートの社長婦人ともなると気に食わないものは排除するという公式なんでしょう。

★商店街のモール化などは夢物語?★

意見交換会の中では、山形市から「将来モール化」ということをさらっと語り、会場からもこれを契機に車も自転車も排除して(自転車も降りて歩く)モール化を提案している方もいました。私は、自転車に賛成・反対はあっても「最終的に商店街の方々は、モール化を望んでいるんだろう」と勝手に推測していたのですが、こちらも「夢だ」「遠い将来」「この車社会に」とざわめきがおきて、モール化の意見も一気に消沈。

自転車道の賛成・反対派ともに『街の賑わいを』というフレーズは賛同しているのですが、問題はそれが何かということ。やり取りからを聞いていると
【自転車道賛成派=歩行者を中心とした賑わい】
【自転車道反対派=自動車がたくさん通る賑わい】
なんだということが分かりました。

自転車道ごときで大騒ぎの商店主たちですから、通りから車を排除することになるモール化などは、さらに大反発が予想され、どう考えても無理。LRTなどは市民あげて反対するかもしれません。

「人、自転車、車、みなさんで道路を譲りあって使う、少しの我慢が必要」と発言した人もいましたが、このような発言も猛反発されていました。

地方における過度の車依存をまざまざと見せ付けてくれました。

「ほっとなる通り」社会実験
▲社会実験を伝える看板と自転車道

★自転車道に賛成すると殺される??★

山形の惨状を目の当たりにして、商店街と車の問題とは本当に難しいのものだと思いがっかりして帰りましたが、週が明けると

「この自転車道の問題には、関らない方が良い」

とのご忠告を受けてしまいました。
マジでびっくりです。

自転車道反対派に睨まれると「いやがらせがあったり」「突然事故にあったり」するそうな・・・。
ゲゲっ、それってヘタすれば殺させれかねないことです。
あの会場にいた反対派の方々、金と権力を欲しいままにしている方々なんだそうです。裏で山形を仕切っているなんてこともマジでありそうです。

なるほど、火の粉をかぶらないように、山形市の職員3人も他人事の顔で座っている訳ですな。

いやはや、まったくもっておっかない商店街です。

殺されても損なので、この話題はここまでにします。
コメント欄も書き込み禁です。

おーこわ。

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